2011年11月29日

F/Z09

今回のタイトル「主と従者」はなかなか凝ったタイトルだと思う。
マスターとサーヴァント、だけではない。
弟子と師匠、愛情、信頼、駆け引きによる主従関係。
登場人物たちの人間関係が徐々に浮き彫りになっていく。

前回、騎士道精神に則って、ランサーが主救出に向かうことを見送ったセイバーは、ランサーが切嗣を殺すことはないと心から信じていたのだろうし、実際その信頼をランサーが裏切ることはなかったわけだが、切嗣からしてみれば、この二人のサーヴァントの行動は理解の範疇を超えるものだったようだ。ケイネスがもし瀕死の状態でなかったら、令呪という絶対命令権でもって切嗣を殺せと命令していた可能性もあったわけで、切嗣の死によって、魔力供給を断たれたセイバーの消滅、そして綺礼によるアイリと舞弥の死に繋がっていたかもしれない。そんなことにも思い当たらない、セイバーの真っ直ぐな、潔癖な、幼い正義感。そもそもサーヴァントに人間の力は及ばないのだから、切嗣の下にランサーを向かわせる行為そのものが、マスターに対する造反と取られても仕方のない話だ。彼女が掲げる正義の御旗はとても危うい。切嗣の世界を救うために持つ平等さと、セイバーの持つそれは似ているようでまったく質が違う。

前回共闘した舞弥と、アイリは「切嗣を守る」という点で思いを分かち合った。
手当を終えたところに、舞弥の身体を案ずるでなく、部下として(手段の一つとして)「いつから使えるか」と問うた己の夫の言葉に、アイリが哀しそうな表情を見せたのが印象的だった。切嗣があえてそのような物言いをしていることくらい、きっとアイリにはわかっているはず。わかっているからこそ、理想のため己を滅しようとする切嗣の心を、アイリは案じているのだ。

魔術回路だけでなく身体的神経系まで破壊されてしまったケイネス。
魔術師どころか人間としての生活もままならなくなった彼が、許嫁のソラウの前で涙を見せるシーンが痛々しかった。これまで怒りを見せることが多かったケイネス。涙が一筋流れていくのと同時に、彼を形作っていた誇りや自尊心が全て流されてしまうようで胸が痛かった。そんな彼をどん底に突き落としたのもソラウだった。指を全て失うことよりも、右手を失うことよりも、そうまでしてランサーを従えようとするソラウの意志に、彼の心が先に壊れてしまいそうです。令呪も魔術も許嫁も、全てを失った彼に、ランサーの忠義がいつか伝わるといいな・・・。

ケルト神話では、騎士団の英雄の許嫁と恋仲になったディルムッドは彼女を連れて逃避行、16年後二人は許され結婚するが、不慮の事故で彼は大怪我を負い、助ける手段を持った英雄はかつての恨みからディルムッドを見殺しにする。
英雄に許しを貰ったと恋人に伝えるディルムッドの明るい声と、疲れ切った表情の恋人の手から蝶が飛び立つ映像は、二人の行く末を暗示しているようだった。子供が蝶を追いかけるように、無我夢中で駆けた逃避行に恋人は疲れ切っていたのではないか? 実際ディルムッドの死後、恋人は英雄の元で生涯を過ごす。恋はやがて冷める。ディルムッドを想った、ランサーを想っている彼女たちの気持ちに嘘はないだろう。しかし炎が強いほど蝋燭の溶けるのが早いように、大きな激情は長く続かないのも常である。恋人の、英雄の善性を疑わずに死んでいったディルムッドは、不幸だったのか幸いだったのか。「誰も恨んでいない」とはきっとランサーの本心だろう。しかし激情に身を落とした者からしてみれば、これほど辛い台詞もない。恨み辛みでも良いから、もう一度激情を与えて欲しいと、恋人が思ってもおかしくない。

忠義と愛情の板挟みに、ケイネスとソラウの板挟みにならぬよう、ランサーは細心の注意を払うべきだった。ソラウはケイネスから令呪を引き継いでしまった。届かなかった忠義をこの聖杯戦争で主に示したいというなら、なんというか、ランサーはケイネスの目の前で切腹するしかないよね・・・と日本人は思ってしまう。「誰も恨んでいない」とランサーが言うたび不安になります。(OPだかEDだか、セイバーらしき人が長い得物を持って誰かを刺しているのがずっと気になっていて、あれ、槍ですよね? えっと、ランサーはどうしましたか。神話の中でディルムッドは死んだとき黄槍の方を持っていたというから・・・)

どっこい、万事順調なライダー組。
ライダーの豪胆さはオアシスです! 不貞腐れたりイライラしたり弱ったり叫んだりなウェイバー君を、叱咤し励まし、さらっと教え諭すようなことを言ってのけたり、マスターを見ていないようでちゃんと主として理解しているあたり、この作品の中でも大人だと思います。やってること無茶苦茶だけどたまに優しいところもあって実は良い人に見える罠。征服王に認めて貰えてうっすら頬を染めるウェイバー君!とうとうデレたね!(おい)

でライダー組にアサシンが無謀にも突っ込んでいった報告を受けた綺礼&時臣。
「余裕を持って優雅たれ」と遠坂家の家訓を述べる時臣に、アーチャーが評した「退屈な男」を思い出すけしからん弟子。声しか伝わらないってこんなとき便利ですよね。これであのときのアーチャーの来訪が、綺礼の中でさざ波を立てたのは確かとなった。見事にギル様の思う壺ですネ。

ところで次回は凛ちゃんの回。
ここいらで一息といったところでしょうか?
一息するほど、進展してないYO!(早く続きが観たくて仕方ない人)

2011年11月22日

F/Z08

三箇所で同時進行の戦いということで、30分があっという間だったです。

お礼参りのケイネスは、切嗣の(文字通り)命を懸けた罠にまんまと嵌まり、まさかの早期リタイアか。予告では婚約者のソラウが令呪を引き継ぐようなそぶりでしたが、そもそも令呪って移せるものなの? 剥ぎ取ったり? キャスターを殲滅した者には過去の使い残された令呪を授けるとかなんとか言っていたので可能なんだろうけれど、どうにもイメージしづらい。

ところで、アイリと舞弥の前でアサシンが姿を現したのには驚きました。
遠坂との戦いでアサシンは敗れたことになっていたはず。二人を死んだと判断したのか。代行者として数知れぬ命を奪ってきた綺礼にしては、どうにも甘い感じ。第一、アイリをセイバーのマスターに見立てる切嗣側の意図も、あまり成果を上げているようには見えないですし、(アイリがホムンクルスでかつ聖杯の器であると綺礼には即効で見破られてました)、聖杯戦争の前半は情報戦になるって認識を改めるべき? それともこれはアニメ仕様なんでしょうか。遠坂VSアインツベルンを意識するよううまく誘導されている気もします。

実際、雁夜おじさんとか雁夜おじさんとか気配すらないもんね!!
もっと見たい見たい!!

今週の注目は「綺礼無双」
僧衣の上からでもわかる背筋&上腕二頭筋・・・。
銃弾がきかないとかどんだけ・・・。くくりつけられた大木ごとへし折るとか・・・。
元来の鍛え上げられた肉体と、時臣に師事して得た魔術によるものなのでしょうが、半端ねえ。女子にも一切手加減なしの冷血ぶり。そのくせ切嗣に対する理想に吹いた。ここ笑うとこ。誰にも理解も肯定もされていないはずだって(笑) なんというか・・・結構ロマンチストなんだね綺礼・・・。歪んだ理想像。これは怖い。他のマスターに姿見られる危険を冒してまで切嗣会いたさに忍び込んだように見えて、アサシンに状況を計らせながら動いているあたりはさすが。

この作品内の「魔術」がどれくらいのことを可能としているのか以前わからないまま。サーヴァント、魔術師問わず彼らの戦い方に予測がつかないため、一見なんでもアリに見えてしまうのが残念。(切嗣がケイネスの全力を引き出そうとしたのは、ランサーへの魔術供給を断つためだと思っていたので、まさかの奥の手についていけなかった) 違った・・・。そもそも魔術供給はソラウがしてたんでした。ケイネスの魔術回路が壊れてもランサーが動いていたことで、切嗣あたりは気づきそうですね。

アイリと舞弥、二人の女性の想いが見れて、個人的には収穫ある回でした。
大原さんのアイリは本当に聖母のようです。
ちなみに7話で切嗣に無視されまくっていたセイバーが一矢報いたあたりは胸がスっとした。いや切嗣好きなんだけど、追い詰められる姿を見たい気持ちもあるもので。ここの組は、切嗣の理想をセイバーが理解できるか否かが肝だと思う。アイリを案ずるセイバーを見ていると、困難な先行きであることは予想されますが。

2011年11月18日

F/Zの7話が見事な切嗣回だった件

おひさしぶりです。
今期はこれと「ちはやふる」と「UN-GO」で生きています。


ようやく7話を観たらばとんでもないことになっていたので思わず叫びにきました。
見事な切嗣回でしたね!
ただでさえ力也さんの素敵ボイス+ヒゲ+黒スーツでむんむんなわけですが、あの喉仏は反則ですよ。うっすら汗!上下する喉仏!触れてくれと言わんばかりにさらけ出されたその場所に視線くぎづけでした! 思わず何度も巻き戻したりなんかして。過剰なまでに綺礼を恐れる様子やら、アイリとイリヤに対する想いの深さが垣間見えたりして、頭ぱーんなりました。己の決断への葛藤や苦悩を滲ませる姿にそそられます。魔術師でありながらあえて現代の武器で暗殺に特化してるとか、何層にも積まれた男の背景からくる色気。綺礼との絡みが大変楽しみです。作品中一番のキレキャラと思われる綺礼が、己に似た切嗣に執着するさまは本当に異様で、だからこそ妄想のし甲斐がありますね。全力で裏の裏を読む切嗣にどこまでもついてくる綺礼とか、怖いけど興奮する。

正反対な雁夜と時臣も面白い。
英霊への魔術供給を考えると、坊ちゃんに見える時臣も苦労していないように見えて相当な努力で力を維持していると思われます。一見完璧ででも面白味のない彼と、彼が捨てた子供のために立ち上がった雁夜。英霊同士の戦いがメインのようですが、今後二人の顔合わせが気になります。壮絶な覚悟で挑んでいる雁夜が、闇雲に時臣へ向ける憎悪といい、狂気を共にするバーサーカーといい、二人の対峙が一度きりになる可能性もありますが・・・。それでも、雁夜が想いをぶつけられる日がくることをつい願ってしまいます。彼が望んだことは、きっと、誰かが泣く必要のない世界、桜ちゃんたちが穏やかに笑える世界、家族が一緒に暮らせる、たったそれだけなんだろうなあとか思うと、胸が苦しくなります。そしてノンストップ☆妄想!

噂では切嗣も綺礼も20代だと?うっそだー。
ネタバレがこわくてwikiすら覗けない。
ので、原作小説買ってことの真偽を確かめたいと思います。
  
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