2011年12月28日

のぼせるからだ / ミナヅキ アキラ

のぼせるからだ (ミリオンコミックス  Hertz Series 113)
のぼせるからだ (ミリオンコミックス Hertz Series 113) / ミナヅキ アキラ

整った顔立ちにコンプレックスを抱えたパン屋を営む若き店長・鈴見。ある日訪れた銭湯の番台にやたら目力の強い男前が座っていた。向けられる無遠慮な視線の理由を尋ねた鈴見に、男は整った顔立ちとアンバランスな腕の火傷痕を指摘する。

「顔でも食っていけそうなのに」
男・草羽の一言に鈴見は愛想笑いを返して逃げ帰ってしまう。
アイドルのような顔立ちが先立ち、恋愛でも仕事でも勝手に期待して失望した他人が、あっと言う間に離れて行ってしまうことを鈴見は身を以て体験している。腕に残った火傷の痕は、顔だけだと思われないよう努力し続けた証だ。28歳という若さで店を持てたのも、おそらく彼の実力だと思われるが、本人は自分に自信が持てないままでいる。

ひとめ惚れの勢いのまま猛アタックを繰り返す草羽は、がっしりとした体格で、映画の題字を書いたりテレビに出演するくらい有名な書家だ。男として成功した人間であり、おそらく恋愛で振られたことなどないタイプ。自分がどう見られているかわかった上で、鈴見をあの手この手で絡め取ろうとする。だが時間の問題だろうと高をくくっていたのに鈴見はなかなか首を縦に振らない。煩わしいことは避けながら上手く立ち回ってきたはずなのに、相手が見せたわずかな素顔が気になって、仕事にまで影響が出る始末。余裕ぶっていた大人の男が、実は真っ先に恋に堕ちていたのだ。

ミナヅキさんは、湿度の高い情念を嫌味なく描ける希少な作家さんだ。
短編「ゆびさきの恋」が一番好きなんだけど、雰囲気は残しつつ、コンプレックスや社会的立場などわかりやすい記号で間口を広げながら、更に読みやすくした感じ。話の展開に甘さがあった当時に比べると本当に隙がなくなった。単行本は年に1、2冊ペース。これからも変わらず書きたいことを思う存分描いて欲しい。

2011年12月27日

F/Z13

これが人間のやることかよォ!!
また凄いところで1期目終了ですね・・・。


ライダーたちの去ったあと、工房へ帰ってきた龍之介とキャスターらが目にしたのは、彼らの芸術が破壊し尽くされた惨状だった。人の手による破壊の限りに、自分たちの芸術への無理解を感じて、龍之介は声を上げて涙を流す。狂人二人の会話は事情さえ知らなければ微笑ましく哀れで、滑稽で物悲しいものだった。

生前のジル・ド・レイ公が虐殺した少年は、数百から千人を超えると言われている。彼は捕えられ絞首刑にかけられるのだが、原因はこの虐殺ではなく、その頃の所領争いによるものだった。戦友のジャンヌが火炙りにされたことから精神を病んだとも言われており、もしそうならば、彼の信仰心が捻じ曲げらていったことも頷ける。

ジャンヌを救わなかった神、悪行を繰り返す己を罰さなかった神。神はただ傍観するだけで罰を下すのは人間だと言うキャスター。でも神様はいるよねと龍之介は呟く。この世界を作り人間を作り、シナリオを描いている絶対的な存在がいて、それを神様と呼ぶなら、神様は色んな役割を持った人間全てを愛しているはずだよと。世界は神様の愛に満ちてるよと。真っ暗闇の中、スッと差し込む太陽の光、きらめく粉塵を纏って両手を広げ微笑む龍之介は、まさに一枚の絵画のようで、キャスターの視点で見れば美しい光景だったという演出。小説では軽口の都合が良い龍之介の持論が、キャスターには神託に聞こえたのではないか。龍之介の言葉に、始めて龍之介へ臣下の礼を取ったキャスターは、シナリオを書く神に娯楽のなんたるかを見せつけてやろうと、新たな趣向を思い立つ。

最果ての海を目指して世界を駆けた王イスカンダル。
あまりにも強大すぎるサーヴァント。しかし当の本人は偉業を偉業として誇る素振りを見せない、どころか、史実に名を刻んで本の中で2000年語られるより、その100分の1ほどの寿命が欲しかったなどと言う。その証拠に、聖杯戦争はライダーにとって受肉するための手段でしかなく、彼の本来の望みは、その後の世界征服にある。自意識過剰で、正当な評価を得られないことに憤ってきたウェイバーにとって、自身の伝記をどうでもいいことのように扱うライダーは驚きの対象だったろう。同時に己の矮小さを見せつけられたような気がして屈辱だったろうと思う。

これまでのウェイバーであれば憤慨し怒りを露わにしたはずだが、この日は少しようすが違った。すでにライダーの宝具「王の軍勢」を見ているからだろうか。イスカンダルの夢を彼の背を追い、彼を崇め奉り、死しても忠義を尽くす歴戦の英雄たちの姿を見てしまった。ウェイバーは聖杯戦争を自分のための戦いだと感じられなくなっている。勝利してもライダーの力によるもので、自分は彼の背に隠れていることしかできないのかと、少年の焦燥と葛藤が浮き彫りになる。

だがそんなウェイバーの煩悶すら、ライダーは飲み込んでしまう。
己の小ささを知りながら埒外の高みを目指そうとする、分を弁えない願いこそ覇道への一歩であり、現界してもなおその願いを夢見ているライダーにとって、行く先は違っても同じように覇道を進もうとするウェイバーは、マスターとして「まっこと快い」のだと言う。無邪気な笑みでウェイバーをいじくり倒すライダーが、もの凄く格好良くて、悔しそうにムズがるように顔を赤くするウェイバーが可愛すぎてたまらん。

キャスターの新たな奇行に気づく各陣営。
セイバーはアイリを伴い、ライダーはウェイバーを伴い河原へとやって来た。
今夜の主賓はジャンヌではないと言うキャスター。彼の目的は、大量の魔物を召喚し大勢の人を襲わせることで混沌を生み出すこと。遅れて合流したランサーを入れて、三人は一時休戦とし、対キャスターへ共同戦線を張ることにする。タイムリミットは、巨大化した魔物が食事のため川岸へ到達するまで。

☆2期予告
F15戦闘機やら、お怒りアーチャー、やっと動いた(炎を使う)時臣氏、雁夜おじの絶叫など、テンションMAX!
実際このキャスター戦を皮切りに一気に物語が動くので、配分としては上々かと。
後半じっくり戦闘シーンが見れるならこれもありかな。

☆ライダー組
ライダーとウェイバーの会話聞きながら気づいたら「顔近い顔近い近い近いうおおい」って突っ込んでた(笑) ウェイバーのリュックから地図引っ張り出すとか、うおおい近すぎるだろおお。約束どおり詩集と世界地図、ちゃんと持ち歩いてあげてるウェイバーちゃん可愛い可愛い。

キャスター組といいライダー組といい仲良しで微笑ましい。
セイバーとランサーのギリギリしてるのが手に取るように想像できるwww

☆カーニバル・ファンタズム予告
キレイキレイな綺礼な声で吹いた。
わいわいやってるイリヤとか涙出そうになるわ笑えるわで・・・。
ほんと(色々な意味で)ありがとうございます。


さてこれでFate/Zeroアニメ感想もひとまず終了。
次は4月に!

あ、stay nightの方は年末年始の休みを使ってUP予定。
ゲームPS2版買ったので、それも感想書けるといいな。
冬の祭りは2日目行くことにしたので、Fate本血眼になって探す!
あとややこしいので記事カテゴリ分けました。

2011年12月26日

イケズ彼氏の堕とし方 / 左京 亜也

イケズ彼氏の堕とし方 (ディアプラス・コミックス)
イケズ彼氏の堕とし方 (ディアプラス・コミックス) / 左京 亜也

コミックイベント会場でスカウトされた、エロ同人作家だった幸生。誘われるままパンツ漫画を書き続けて2年。連載は打ち切り、思うように描くことができないまま、担当編集者には人形パンツマンガとまで評されてしまう。

ドS編集者×エロ漫画家。
別名義で少女漫画を描く作者によるBL初単行本。少女漫画の世界で戦っている作家さんだけあって、一話ごとの構成が滅茶苦茶うまい。王道展開なので先の先まで読めてしまうんだけど、お決まりのものが決まったときの快感を知り尽くしている感じ。

デフォルメされたキャラの絵も可愛らしいし、小さい書き文字も凄く丁寧。そういう雰囲気になってから気づくと下半身裸になってた!といったBL的お約束(笑)も、テンポとカットでうまく処理されています。メガネ編集・田中のいじめっ子ぷりを「イケズ」と表現するのはちょっと苦笑いですが、よくある受の性別を男性に変えたなんちゃってBLと違い、幸生の行動が(女子が想像する)男子高校生ノリというのも良かった。濃すぎず薄すぎず、適度にお馬鹿で適度に天然で適度に真面目。

Sっ気丸出しの田中が、どうして辛く当たるのか恋愛経験ゼロの幸生にはまったく理解できない。わけがわからないまま勢いで事を進めて、でも勢いだけではどうにもならなくなって、いつの間にか本気で相手を好きになっていて、体だけの関係が辛くなって、もうやめようと言い出したり。いっぱいいっぱいで感情のままの幸生の行動は一見、恋愛上の駆け引きのようにも見える。最後の最後に田中の本音が少しだけ明かされるのだけれど、二人ともお互いに振り回されているような気分だったのかなと思うと、可愛くて萌えた。

大胆なHシーンが毎回出てきますが、綺麗な絵柄なので軽く読めます。BLの基本はやっぱり少女漫画だと改めて思う。今の飽和状態のBL界に足りないものを、改めて知ることができる貴重な作品。

2011年12月25日

悪人を泣かせる方法 / 雨隠 ギド

悪人を泣かせる方法 (ディアプラス・コミックス)
悪人を泣かせる方法 (ディアプラス・コミックス) / 雨隠 ギド

中学のとき怪我でボロボロな鷹尾と出会ってから、譲は片時も彼を忘れることができなかった。いつか鷹尾に会いに行くため貯め始めた資金は60億を超えてしまう。しかし再会した鷹尾は結婚していて・・・。

譲を試すようなことを繰り返す、あまりに人の悪い鷹尾と、彼へ貢ぎに貢ぎまくる譲という典型的な破滅型カップル。お金大好きで性格最悪の(受)鷹尾に感情移入ができなくて、当然のことながら、一途に鷹尾を想う譲にも感情移入できず、一度目はさらっと読んでしまいました。

特殊な環境で育った二人は、「家族」や「愛情」を神聖視しているところがあった。
朝起きたとき一番に目に入るのが恋人の寝顔だったり、家に帰ってただいまと言えばおかえりと返ってくるだとか、毎日ご飯を誰かと一緒に食べて、次の休日の予定を考える。そんな穏やかな当たり前のような日常を、鷹尾は「夢みたいだ」と思った。幸せが一瞬で壊れることを知っている彼にとって、夢に溺れることは恐ろしい行為だったろう。唯一大事に想っていた弟妹から拒絶された経験が、彼を臆病にしている。今の幸せが壊れても自分が傷つかないように、特別なものを作らないように、彼はあることを試そうとする。

いざ強い愛情を向けられて幸せを感じて戸惑い、その愛情を失ってしまうことを恐れる、というのは王道パターンなのですが、普段弱みを見せない大の男がパニックのあまりとんでもない方へ向かってしまう展開に、猛烈に萌えた。その方向が、これまた駄目ダメすぎて呆れてしまったのだが、病室に駆け込んできた鷹尾を見て、悔しいけど許してしまう譲の気持ちも痛いくらい良くわかってしまった。愛してるとも大事だとも口にしてくれない皮肉屋の想い人が、自分のせいでぐちゃぐちゃになってしまったときの快感といったら!

相手が特別なのだとお互いが腹を括るきっかけが、他人の言葉や事故で片付けられたのがちょっと物足りなかったけれど、まわりの人間からすればすっかりハマっているようにしか見えないのに、最後までジタバタと悪足掻きする駄目な大人と、それに振り回されているようで実はすでに主導権を握っている年下男。どうしようもない二人が泣いたり泣いたり泣いたりするさまは、とても可愛らしくって良かった。

退院後にはデレた鷹尾が見れます(にやにや)

2011年12月24日

明治失業忍法帖(1) / 杉山 小弥花

明治失業忍法帖 1―じゃじゃ馬主君とリストラ忍者 (ボニータコミックスα)
明治失業忍法帖(1) ―じゃじゃ馬主君とリストラ忍者 (ボニータコミックスα) / 杉山 小弥花

明治初め、商家伊勢屋の娘・小松菊乃は、親の決めた結婚相手・柘植清十郎の昼間から酒を吞むぐうたらな姿に怒り心頭。しかし彼は、幕府直参の元伊賀忍だった。

明治維新の折、幕府から暇を出されたきり、立身出世に興味を示さず無為な日々を送る清十郎は、まるで浮草のような人だ。薩長との戦い、大政奉還と激動の時代の只中で命を賭けて戦っていた彼は、努力や正義といったお題目で多くの人が死んでいくさまを目にしている。絶対的な時代の潮流の前で、それらがいかに無意味なものか、身を以て体験している。時代に逆らわず、己を捨てて生きること。今の清十郎の願いはただそれだけだった。

一方、髪も結わず男袴で町を闊歩する菊乃。女学院に進み将来は職につきたいと願う彼女は、家族を含めた周囲から奇異の目を向けられている。ある事件をきっかけに、清十郎と主従関係を結び、他の縁談が持ち上がり女学校への夢が断たれることないよう、仮の婚約まで交わす。行動力と好奇心旺盛な菊乃は事件に巻き込まれ、自ら首を突っ込んでいくこともしばしばだが、そのたび主君の一大事と言って、清十郎が手助けに入る。

収録されている5話目が抜群に良い。
落ちぶれた元武士と、元婚約者の芸者の話。職を失い商いを始めるも客に頭を下げることも、金勘定もしない男。女の身請け話が持ち上がり、菊乃はなんとか二人を一緒にしてやりたいと奮闘する。清十郎の力添えもあり、無事に二人を江戸を出すことに成功したのだが、この話、大団円に見えて裏があった。
維新後武士として死ぬこともできず、恋しい女への想いだけで生き永らえてきた男にとって、このときすでに生きることは恥の上塗りでしかなかった。女が裕福な生活を得て幸せになることを見届け、彼は自害するつもりだったのだ。二人を見送った数日後、清十郎の開いた新聞の片隅に、「男の切腹死体」「近くに女性死体あり後追いか」との文字が読める。結局、武士としての生き方しかできなかった男と、それを良しとして付き従った女の結末。すべて見通しながら、菊乃の真っ直ぐな望みを無理を承知で叶えた清十郎は、男女の死を菊乃の目から隠すことを選んだ。

男女の行く末を悲劇と取るかは個人の価値観によって違ってくる。冷たい言い方かもしれないが、自害した二人は各々の価値観を信じて果てたのであって当人らの自己満足の結果に、菊乃が左右される必要はない。少なくとも正義の下で行ったことが、結果すべて善にはならないと、今回の一件で菊乃は学んでいる。

忍びとしての恐ろしい一面を見ても、変わらず接してくる菊乃に、清十郎は何度も救われる。変化し続ける世界を憎み、いつかぼろぼろになった世界で彼女を優しく殺すことを夢想しながら、どこか非情になりきれない清十郎。凪いでいた彼の世界に、いつの間にか波が立ち始めている。

杉山さんの「当世白浪気質」は、今でもときどき読み返すほど好き!
今回も、夢破れ胸に空洞を抱えた年上の男と、男を受け止め包み込む女。でも恋愛は奥手というところに少女性を感じてきゅんきゅんきた。この人の作品は、男の性格が捩じれすぎていて、一読では理解が追いつかないこともあるけれど、どこか後ろ向きで、クールぶっているくせに実は情に厚く、シャイで弱い自分を必死になって隠しているあたりに庇護欲がくすぐられて困る。菊乃と一緒になってそんな清十郎を「かっわいい〜」と眺めながら、頬染めて清十郎を見つめる菊乃の方がなにより可愛かったりして、見てるこっちのが恥ずかしい気持ちになります。

2011年12月23日

よるくも(1)(2) / 漆原 ミチ

よるくも 1 (IKKI COMIX) よるくも 2 (IKKI COMIX)
よるくも(1)(IKKI COMIX)
よるくも(2)(IKKI COMIX) / 漆原 ミチ

街・畑・森、三つに分かれた階層社会。「畑」で母親とともに食堂を営むキヨコは、常連客の中田に頼まれ、青年・小辰の面倒を見ることになる。「森」出身の小辰は、無口でどこかぼんやりしていて、キヨコは気に掛けるようになるのだが、小辰は中田が仕込んだ暗殺者よるくもだった。

裕福な者が住む「街」と貧しい者たちが住む「畑」、その下にある「森」
生まれ育った居住区による差別化がなされている世界。そんな中訪れる人間を区別なく受け入れるキヨコと母の営む中岡飯店はとても繁盛している。誰とでも分け隔てなく話す母と、明るく可愛らしい娘。キヨコの飯はみんなもので、母娘はみんなにとっての癒しだった。

自分たちは人間ではないと思うことでしか耐えられないような出来事を通過して生き残ったのが中田だ。彼は荒磯精肉店の店長であり、荒磯の裏の仕事を引き継ぐ担当でもあった。行き場を失くした子供たちを使い捨ての暗殺者に育て上げ、汚い仕事を一手に引き受けている。そうして出来上がった一人が小辰=よるくもだった。よるくもには痛覚がない。字の読み書きもできない。感情がない。命令に従って暗殺を行うが、行為自体に喜びも苦痛も感じない。感情を殺しているのとも違う。楽しい悲しいといった言葉の意味は知っていても、そもそも彼の中に愉快や不快といった感覚すらない。倫理や社会といった判断基準を持たないよるくもは、ただ命令どおり仕事をしている。

母親が亡くなり、小辰と中田と暮らすことになったキヨコ。
語彙力の足りない小辰の言葉は、故に純粋なものに聞こえる。小柄でちゃきちゃきした普段元気なキヨコは、思わず小辰へ弱さを吐き出す。感情に乏しい青年が明朗快活な少女と出会い人間としてのなにかを取り戻していく物語。であれば良かったのだが、この作品には今のところそんな救いは一欠けらも存在しない。小辰によって救われたキヨコが、小辰によって地獄へ突き落される。

キヨコの母が隠していた差別意識、中田の憤り、周囲の人間たちの悪意のない言葉。善良な人も存在するが、狂気に満ちたこの世界では、わずかばかりの善意など吹き飛んでしまう。生きること、食べること、殺すこと。キヨコの目を通して描かれる「森」の風景の中に、それらが詰まっている。

2011年12月22日

アド・アストラ(1) / カガノ ミハチ

アド・アストラ 1 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
アド・アストラ(1) ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ) / カガノ ミハチ

紀元前三世紀、共和制ローマとカルタゴは、西地中海の制海権を賭け争っていた。領土の拡大を続けるローマに押され、誇りを見失いかけたカルタゴを再び立ち上がらせたのは、10歳にも満たない少年だった。

カルタゴの守護神バールの恵みと意味を同じくする名前を持ったハンニバル。神に選ばれた子、バールの子と讃えられながら、感情の宿らない瞳を持った少年は、やがて人々の心を掴みローマを脅かす存在へと変わっていく。月日が流れ20代の彼は、立派な統率者となった。ガリア人たちに対する演説、戦場での行動は、自信と熱意に満ちている。幼いときの無表情とも、大人たちの前で見せた人を蔑み嘲笑うような表情とも違う、民衆や軍を率いる者として理想的な雄々しい姿。常識を覆すような方法で、ハンニバルは人心を掌握していく。

一方幼いハンニバルの狂気を見せつけられたのは、ローマの執政官スキピオだ。
今後は彼の子供(小)スキピオがハンニバルと戦うことになるのだが、1巻では父親のスキピオの目線でたびたびハンニバルが描かれている。ローマに敗れ言いなりになっていたカルタゴの兵士たちが、幼いハンニバルの扇動によって牙を向いた瞬間をその場で見ていたスキピオには、ハンニバルが怪物に見えてしまう。名将と謳われるスキピオですら、幼いハンニバルから植えつけられた「本能的な恐れ」に囚われていたのだ。

彼の息子である小スキピオは、唯一ハンニバルに対抗できた人物だったとか。もし幼いときハンニバルの狂気の洗礼を浴びていたら、小スキピオはどんなふうに育っていただろう? 想像するだけで楽しい。

世界史に明るくないので先が読めないおかげで楽しめました。
周辺国家や人種についてはほどほどに触れるばかりで、知識を詰め込んだ歴史ものとは少し違いますが、逆にこれくらいの量の方が、登場人物たちに目が向いて物語に集中しやすかった。2巻以降は小スキピオの目線で物語が進むらしいですね。ハンニバルが魅力的な人物なだけに、小スキピオについてどこまで描けるかが肝になりそうです。

2011年12月21日

進撃の巨人 / 諫山 創

進撃の巨人(6) (講談社コミックス)
進撃の巨人(6)(講談社コミックス) / 諫山 創

主人公エレンは、城壁の外の世界を見るため調査兵団に入ることを夢見ていた。しかしある日突然現れた巨人に親を殺され、夢は具体的な目標へと変わる。調査兵団に入り、巨人を残らず駆逐するという目標へと。

設定を少しずつ公開する手法や、年数にこだわっているようすは、ガッチガチの厨臭がプンプンなのですが、4巻あたりから面白くなってきた。そもそもこの漫画はいったいなにを描こうとしているのか考えたい。「巨人対人間の戦い」始めはそう思った。しかし主人公エレンの秘密や、意志を持つ女形大型巨人の登場により、一気に物語は混迷する。目に見える外敵と、腐敗が進む内政。恐怖による駆除は簡単だ。生捕りにした巨人を前にしたとき、巨人に襲われた記憶を思い起こすとき、彼らは否応なく己の恐怖心と向き合うことになる。恐怖に打ち勝つしか生き残る道はない。

ただ予感だけがある。この作者とんでもない隠し玉を持っている。実写版映画化が決定したと聞いたが、隠し玉の内容によってはこの作品、大化けするかもしれませんよ?

ところで、個人的に好きなところはシュールさ。
冗談と本気の区別が曖昧なところ。6巻でエレンと団員たちがパニックに陥るシーンがあるのだけれど、彼らが至極真面目であればあるほど滑稽に見えてしまう。巨人への恐怖が大きくなるほど、彼らの極限状態と日常の振り幅も大きくなるわけで、その独特なテンポと間合いが面白い。大胆な構図、コマ割りも見どころ。全体像はぼんやりしているのに、立体起動といった細部は緻密。荒削りで拙く見えて、このアンバランスさが魅力だと思う。

最新6巻ではようやく城壁の外に出た。
調査兵団が培ってきた対巨人戦略にワクワクが止まりません。
この作品の真価が問われるのは、おそらくここから。

2011年12月20日

F/Z12

アサシンの消滅によってマスターとして役割を終えた綺礼。遠坂を擁護するために参加していた聖杯戦争から離脱できたことに安堵しているようすだが、アーチャーは綺礼自身が気づかぬ心の動きを知り尽くしたように、アサシンから報告を受けた内容を綺礼自らに語れと言う。

衛宮切嗣について適当にごまかし語ったところだけが描かれていましたが、各マスターについてもきちんと語っていたことは、その後アーチャーとのやり取りでわかる。あらかじめAパートに切嗣の単独モノローグが入ったことで、各マスターの動向をまとめて把握ができ、情報を要約して視聴者に理解しやすい演出になっていたと思う。特にこのアーチャーと綺礼の問答は、原作では二人がソファに座ったままの退屈な映像になりやすい場面。それを7人のマスター・7体のサーヴァントを模したチェスを小道具として使い、見た目美しく洗練されたものになりました。語られる内容は恐ろしいものでしたが・・・。

綺礼の語った内容から、アーチャーは彼の愉悦の在り処を暴こうとする。
自覚のある感心はただの執着であり、無自覚な興味こそ注目するべきだと言う。綺礼が切嗣について隠し事をしていることを英雄王はとっくに見抜いていて、それよりも多くの言葉で語られたものにこそ、綺礼の求める本質があるのだと説く。その対象こそ間桐雁夜だった。雁夜が聖杯に求める事柄を丹念に調べさせたのはなぜか。万が一雁夜が聖杯戦争に勝利したときどんなことが起こるか思い描けるかとアーチャーは問う。歪な愛憎から精神的破綻を来たしている雁夜の行く末は、このまま敗北し命を落とすか、勝利し愛する人から夫を奪う悲劇を起こすかのどちらかしかない。生き長らえるほど痛みと嘆きが増えるばかりの雁夜には、どこにも人の持つべき「悦」はないと綺礼は断じる。他者の嘆き苦痛を己の「悦」とするなど、信仰の道から逸脱する忌むべきものだと考えているのだ。なにものにも執着できなかった男が探求してきた信仰、神への深い信仰心が彼の思索を縛り、倫理が己の魂の形を認めることができず、彼は無意識の内に自らの欲望をないものとして生きてきた。その様はアーチャーの目にひどく捩じれたものに映ったようだ。

そのとき、アサシンの消滅と伴に消え去った令呪が、再び綺礼の右手へ現れた。
マスターを失ったサーヴァントが発生したとき、7人のマスターか、脱落した元マスターに令呪が宿ることがある。しかし未契約者のサーヴァントもいない状態で、再び綺礼に令呪が贈与されることは、異例中の異例といえる。令呪も聖杯の意思で与えられるとすれば、聖杯がそれだけ綺礼の内になにかを求めているのだろうとアーチャーは笑う。
愉悦の在り処、自らの願いが見えぬなら、願望器である聖杯を使い齎された結果で己の願望を見極めれば良い。そのためには他のマスターからサーヴァントを奪い取ってでも聖杯戦争に勝ち残る必要がある。悪魔の囁きのようなアーチャーの言葉を、苦痛に耐えるような表情で聞いていた綺礼。令呪による激痛と心が暴かれる痛み、そこからくる葛藤が綺礼を苛んでいる。チェス盤では、弓兵の前で横倒しになったマスターの駒。それを拾ってアーチャーは不埒な笑みを浮かべる。

綺礼がアーチャーに絡め取られていくように見えて、実際は綺礼の生まれ持った性質が暴かれていく大事な場面。綺礼を覆う理念や倫理といった固い表皮に亀裂が入り始めている。

一方セイバーとアイリは冬木市内のある日本家屋へ移っていた。
しかもアイリは身体に変調をきたしている。
触覚を遮断しているせいで物を掴むことができないのだと言って、工房を作るためにセイバーへ魔法陣を描く手伝いを頼む。広い空間を障子だけで区切る日本家屋は、あまり工房に適さないため、庭にあった土蔵がその場所に選ばれた。前夜の聖杯問答によって自身の信念に揺らぎを感じていたセイバーだが、アイリの騎士として存在することを改めて誓う。

☆土蔵のある平屋
どこか懐かしいような気持ちになるのはSTのせいだ。
雑草の生い茂った庭と、半開きになった雨戸と縁側。
こんなものは錯覚だとわかっているのに、ぎゅっと胸が痛くなった。

☆エロス!エロス!
真っ赤に濡れて蛇のように細まるアーチャーの双眸。
いやらしいことこの上ないな!
それセイバーのときに欲しかったよ!

☆忙しなく動く綺礼の瞳
しかも左右違う動きとか、バラバラな視線とか病的で怖い。
でもそんな綺礼が結構好きかも。
弾けて実が成ってしまう前の、はち切れる直前の緊張感がたまらん。

☆精神の解体清掃
うおおおハンバーガーは嬉しかったけどおけどおお是非これが見たかったのだよおおおお。無防備な切嗣!わくわくしてテレビの前で待機してたんだよおおおうおう。ERO的な意味でも勿論ですが70時間以上起きっぱなし、魔術で強制的に2〜3時間だけ精神を強制スリープ強制起動ってなんかもう男のロマン。Fateの中で一番使ってみたい魔術がこれ。いや便利だよねこれ。でも現実ではできないのでロマンですよ。襲われてもなにされても目覚めない文字通り生きる屍とかうますぎるだろ!(結局そこか!)

2011年12月19日

F/sn07-10

Fate/stay night #07「蠢動」
Fate/stay night #08「不協の旋律」
Fate/stay night #09「月下流麗」
Fate/stay night #10「穏やかな幕間」


※前提※
アニメZeroから入って小説読了。
再放送が始まったstay nightについて。
相互関係によってどちらにとっても盛大なネタバレとなります。



-----------------------------------------------------------


続きを読む

2011年12月15日

F/sn05-06

Fate/stay night #05「魔術師二人(前編)」
Fate/stay night #06「魔術師二人(後編)」

※前提※
アニメZeroから入って小説読了。
再放送が始まったstay nightについて。
相互関係によってどちらにとっても盛大なネタバレとなります。
回を追うごとにどんどん長くなっていくのは仕様です。


-----------------------------------------------------------


続きを読む

2011年12月13日

F/Z11

キャスターの工房を破壊しそのままアインツベルンの別宅までやってきたライダー。聖杯を求める者同士、誰が聖杯の王によりふさわしいか、剣を交えるよりも先に互いの王の格を見極めようと言う。そこへ遅れて登場したアーチャーを含め、ライダー、セイバー、三人の王による聖杯問答が始まる。

王の中の王アーチャーは聖杯になにを求めるのか。
問われた彼は前提から間違っていると切り捨てる。この世の宝と名のつくものは全て彼の財宝であり、その中にはいまだ目にしたことのない聖杯も含まれる。彼の所有物である聖杯を奪い合うならば盗っ人として裁く。それが彼が決めた彼の法なのだ。アーチャーは聖杯になにかを求めているのではなく、聖杯を持ち去ろうとする者たちを成敗するために聖杯戦争に参加している。

征服王の願いはひとつ、受肉だ。サーヴァントとして霊体や魔力供給により可視化するのではなく、血の通う肉体を持ってこの現代に存在したい。己の身ひとつ命ひとつを起点としてこそ世界征服に挑める。有限の肉体で征服へ挑むことに、価値があるということか。

ここでようやくセイバーの願いが明かされる。
かつて滅びた祖国ブリテンの運命を覆すこと、それがセイバーの望みだ。それを聞いたアーチャーは爆笑し、ライダーは困惑する。身命を捧げた祖国が滅んだことを悼み責を感じ悔やむセイバーにとって、王とは理想に殉じるものだった。正しき治世、正しき統制により法と秩序を体現する。それこそ臣民の望みであり、それを実現することが王の正しき姿だと彼女は信じている。アルトリアという一人の少女が岩から剣を引き抜き不老となった瞬間から、彼女はヒトとしての生き方を棄て、アーサー王としての運命を受け入れた。痛みも苦悩もあったがそれに勝る信念が彼女を支えている。

だがセイバーが言葉を重ねるごとに、ライダーは真剣な表情へ変わっていく。蔑むような嘲笑をみせたアーチャーは愉しげに杯を傾けている。二人は違う時代に生きた英雄だが、王そのものの在り方には共通している部分が多い。王とは暴君であり故に英雄となりえる。民草は臣下は、自分たちには敵わないと思える王の姿に嫉妬し羨望しその生き様に憧れ、また自分たちもと発奮することができる。それが王による導きなのだ。

ライダーの言葉を体現するかのような、彼の最強宝具「王の軍勢」
三人の酒宴に水を差すように現れたアサシンたちをまとめて消し飛ばす圧倒的な力。しかしそれを見つめるセイバーは、驚きと焦燥が入り混じったような表情をしていた。サーヴァントとして非常に強力な宝具を間近に見て、圧倒されたことも勿論だろうが、なにより己の信念の揺らぎを感じてしまったのだ。何千何万の英傑を付き従える王の姿に。かつてイスカンダルの夢を信じ、最期まで戦い抜いた彼らの絆に、圧倒された。

己の決断、己を信じ付き従った臣下たちの起こした結末であればこそ、涙し悼みはしても悔いることはない、それを覆すということは臣下への侮辱と同じ。そうライダーは言った。秘匿していたはずの「王の軍勢」をライダーが開帳したのは、セイバーへ王としての在り方を見せるためだったのではと思う。悲壮な決意と理想を掲げる少女に対する、ライダーの優しさと言ってもいい。ライダーにとってセイバーは最早王ではなく、王を夢見る少女でしかない。

切嗣に無視され二人の王からも非難されるセイバー。
正義に拘って一人戦おうとして、結果空回りするセイバーは可哀想だけれど、なにもかも全て正しいとしないこの作品の方向性が好ましい。単純に善悪を断じるのではなく多角的に物事を描いてくれるので安心して見ていられます。

☆アーチャーのエロワード(笑)
苦しみ惑うセイバーを形容する際、原作では際どい単語を連発するアーチャーでしたが、さすがにアニメではカット。しかしアレがないと彼の淫靡さが伝わりづらいような気もする。金ピカで俺様なただの変な人みたいな。「王の財宝」は破格の宝具だけれど、彼を形作っているものはその性質であって、そこがZeroでは活かしきれていないような。

☆「ぎゃわぶっ!!」
受肉を願うランサーに掴み掛って、吹っ飛ばされるウェイバー君。
作画のせいか一段と可愛かった。愛されてるなああ。

2011年12月11日

F/sn04

Fate/stay night #04「最強の敵」

※前提※
アニメZeroから入って小説読了。
再放送が始まったstay nightについて。
相互関係によってどちらにとっても盛大なネタバレとなります。



-----------------------------------------------------------


続きを読む

2011年12月10日

F/sn03

Fate/stay night #03「開幕」

※前提※
アニメZeroから入って小説読了。
再放送が始まったstay nightについて。
相互関係によってどちらにとっても盛大なネタバレとなります。



-----------------------------------------------------------


続きを読む

2011年12月07日

F/sn02

Fate/stay night #02「運命の夜」

※前提※
アニメZeroから入って小説読了。
再放送が始まったstay nightについて。
相互関係によってどちらにとっても盛大なネタバレとなります。



-----------------------------------------------------------


続きを読む

2011年12月07日

F/sn01

Fate/stay night #01「始まりの日」

※前提※
アニメZeroから入って小説読了。
再放送が始まったstay nightについて。
相互関係によってどちらにとっても盛大なネタバレとなります。



-----------------------------------------------------------


続きを読む

2011年12月06日

F/Z10

幼い遠坂凛が、冬木の街で見たもの。

ステナイへの布石になるのでしょうか。
誘拐魔(龍之介)と遭遇した凛は、なんとか子供たちを救い出すことに成功します。Aパートを使って描かれた父娘による魔術指南によるものでした。膨大な魔力を一気に放出する・・・小さな凛がさほどの苦も無くやってのける姿は、ちょっと異様な感じもしますが、これこそ、時臣が凛を選んだ理由なのかもしれません。

しかしそれで終わらないのがZeroです。
少女に芽吹いた自信すら叩き割る。

路地裏に潜んだ「何か」を見つけてしまった凛が悲鳴を上げるよりも先に、彼女の身体を通り過ぎたさらに黒い「なにか」。それらの見た目からくるグロさは、強烈な異物感を伴います。嫌悪感を誘い、現実の世界にあってはならないモノとして、理性はその存在を否定しようと働く。凛が気を失ったのは、強い魔力によるショックなのかわかりませんが、魔術的な「なにか」を正面から見ることができなかったことが、凛にとって小さな挫折となったようす。

久し振りに登場の雁夜おじ。
凛を探して冬木にやってきた葵の前に姿を現す。
ひきつり醜く歪んだ左顔面、真っ白に色の抜けた髪、土気色の肌。愛する人の前にその姿を見せることを彼に決意させたのは、己の行いが正義であるという自信からでしょう。聖杯を持ち帰れば、桜と凛と葵がまた一緒に暮らせる。「葵が哀しい想いをすることがない世界」その一点目指して彼は突き進む。けれど、聖杯戦争で雁夜が勝利するということは、葵の夫であり双子の父親である時臣の敗北を意味している。葵が、凛が、新たな哀しみを背負うという意味だ。時臣が凛と葵にとってどれほど大切な存在かは、今回のAパートのおかげでとてもわかりやすくなった。その分、狂った雁夜の愛情もはっきりと描かれています。

もし雁夜が間桐から逃げ出さなければ・・・。
もし時臣が双子のどちらかを選ぶことなく他の手段を講じていたら・・・。

考えてもきりがないifを重ねる、その行為自体が祈りに繋がると良いのに。今回の冒険を通して成長した凛のモノローグのように、起こったことへの後悔ではなく、未来を信じるために過去を振り返ることは、なにも悪いことばかりではないのだから。葵の涙の理由を、雁夜が気づくには、彼に残された時間はあまりにも少ない・・・。

☆遠坂の宝石魔術
映像でみるとよくわかりますね。
華があって、「優雅たれ」というのも頷けます。
って凛目線の時臣パパ、きっらきら☆でしたね!
アーチャーにぼろ糞言われてる同じ人だとは思えません(笑)

遠坂の気品と、間桐の醜悪さ。
対比されればされるほど、苦しくて思わず目を逸らしたくなります。父親を一途に尊敬する凛の姿にも、魔術師としての歪みが透けて見えてしまって、凛がどうこうというより、それまでの数百年に及ぶ長い年月の重さを思って辛くなるといいますか。

2011年12月03日

Fate/Zeroにハマりすぎて苦しい

この一週間なにをしていたのかというと。
Fate/Zeroの小説を読んでいました。

ようやく全6巻読了しました。分割2クールは待てなかった・・・。
アニメはBlu-ray Disc Box予約する。3月発売って・・・。
来週月曜日からCSでFate/stay nightが一挙放送されるので、そちらも楽しみです。

小説感想上げる予定で読み進めていたのですが、読むことに必死すぎて爪の先ほどもまとめられてません。まとめてる間にステナイ始まっちゃうよ!という。まあいつものパターンですね。それなら来週からステナイの感想でも上げてみろってもんですが、それはそれで現在放送中の盛大なネタバレとなるのですよね(←言い訳)。今は本家のネタバレを踏まないように必死の思いでネットの海を漂っております。せめて自分の中で言葉に変換できるくらい発酵させないと。(ここでいう本家はゲームを指しています)

自分はZeroから入ったので、本家からプレイされた方の意見も是非拝聴したい。
そのためには、せめてステナイを観ないと話にならんですね。
なんというか・・・ステナイの話をしようとすると、結果としてZeroのネタバレとなり、とても苦しい。この盛大な萌えをぶつけるあてもなく、一人悶々としております。来年の夏までなんて我慢できるわけなし。


ここで書ける範囲で言い表すなら、いろんな意味で泣けて泣けてしょうがない小説でした。
自分がはき違えていた部分もわかったし、ふわふわしていた妄想が、地に足のついた確固たるものへ変わっていく感覚。想像だけだったキャラクターの輪郭線が見えてきて、彼ら彼女らの言葉ひとつひとつを掬い上げて一喜一憂を繰り返しました。久し振りに興奮しています。

思い返してみれば、F/Zアニメ1話目で「これはやばい」と思ったんでした。
知略謀略渦巻くサバイバルゲーム、曰くありげなキャラクターたちが魅力的であったことは勿論、本来ゲームが原作であること、Fate/stay nightが過去アニメ化されていること、その前日譚として小説が存在していること、劇場版が公開済みであること、これらを自分の収集癖と合わせて考えると「これにハマると(金銭的にも時間的にも)まずいな」というのが直感でした。そもそもZeroがステナイの10年前とするなら、なぜ10年後に第五次聖杯戦争が起こるのか?という謎もありました。

うん。まんまとハマったよね・・・。
今更どうすんだわたし・・・と思わず遠い目。
とにかく、今は最終巻解説の奈須さんの言葉を信じてステナイを観ます。
  
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。