2012年04月26日

F/Z16

キャスターの消滅を見ていたソラウの元に現れた舞弥。
彼女の仕事は、今やランサーのマスターとなったソラウから令呪を切り離し、無力化した上で切嗣のところまでソラウを連れ去ることだった。

キャスター討伐に関わったランサーのマスターとして、ケイネスは報酬の令呪を貰い受けるため冬木教会へ向かう。ようやく右手にひとつ令呪を戴いた彼は、他のマスターへ令呪が授与されることを防ぐため、璃正神父を殺害する。拳銃を使ったのは、魔術師らしからぬ痕跡を残すことで、犯行を他の人間に見せかける意図もあったのだろう。切嗣の手段を軽蔑していたケイネスが魔術師としてのプライドを捨ててまで成したことで、彼がどれほど追い詰められていたか想像に難くない。

ソラウが攫われたことを知ったケイネスは、戻ってきたランサー責める。
サーヴァントとしての力不足を詰るだけでなく、主君の許嫁を奪ったディルムッドの過去を持ち出し罵るケイネスの言葉に、さすがのランサーも憤りを隠せない。ランサーが怒りを抑え項垂れたそこへ、セイバーが戦いを挑みにやってくる。

ランサーVSセイバー。
互いに騎士として名乗り合い、己の信条を持って戦う二人の姿は、華やかで清々しい。神話のような昔話の時代であれば、それは真っ当な戦いであったと思う。王道ともいえる理想的な、騎士として誇りある戦い。だが、終わりは突如やってくる。切嗣の周到な計画によって。

そもそもセイバーとアイリがやって来たのは、ソラウから隠れ家を聞き出した切嗣の指示である。ランサー陣営のマスター及びサーヴァントを殺害・消滅するため、切嗣の立てた計画は恐ろしいものだった。捕えたソラウを使ってケイネスを脅し、今後切嗣がソラウとケイネスに対する殺害傷害を行わない契約を条件に、ケイネスの令呪によってランサーを自害させる。おそらくソラウを捕まえた時点でランサー陣営の内情を把握した上で、切嗣は確実な手段を選んだのだろう。そして、ランサーが消滅したあと、舞弥にソラウとケイネスを殺害させる。

突然の幕引きに、ランサーが呪いの言葉は吐く。
目と口から血を流し悪鬼の形相でセイバーを、切嗣を、ケイネスを睨みつけながら消えていくランサー。この形振り構わず叫ぶシーンが凄く好きだ。9話の感想でも書いたとおり、「誰も恨んでいない」とランサーが繰り返すたび不安だった。ケイネスの罵倒にすら怒りを抑え、無意識に自省してしまうランサーは、とても正しく誇り高い騎士だ。けれど大切に思い思われたい相手であれば、それなりの激情があって然るべきではないか。怒りにせよ憎しみにせよ、彼がディルムッドとして唯一心情を吐露する、とても意味深いシーンだと思う。

ケイネスにとってサーヴァントは使い魔でしかなかった。それも本来召喚するはずだったイスカンダルの代替だ。自らの不手際であれば彼も認めたかもしれない。ディルムッド個人への関心はソラウを経由するもの以外は端からなかったように思える。とはいえ、それはランサーも同じこと。彼がケイネスを慕っていたのは、ケイネスが「マスター」だからであって、「マスター」がケイネスである必要はなかった。この陣営はマスター、サーヴァントともに互いを個として認めていなかった。ケイネスは手段を優先し、ランサーは目的を優先させた結果、ひどく捩じれた関係しか築けなかった。

切嗣の行動に激怒するセイバー。
さすがに庇えないと声を尖らせるアイリに、語り聞かせるように切嗣は告げる。
戦いの手段に正邪があると説き、戦場に尊いものがあるように振る舞う英雄たち。栄光や名誉を得るのはほんの一部の人間だけであって、その他多くの人間が失い傷つき命を落とした代償の上で成り立っている。ルールがなければ戦場は地獄と化すと言うセイバーと、戦場はつねに地獄であり、あるのは絶望だけと考える切嗣。たとえ名乗り合い戦おうが、所詮殺し合いでしかない。必要悪という大義名分の下、多くの人々の血が流される現実を切嗣は憎んでいる。

最小限の犠牲で聖杯を手に入れ世界を救う。
悪を憎んで悪を為せばあとに残るのも悪だけだろうと告げるセイバーは、冷静さを取り戻していた。そのようすは、かつて一国を治めていた王としてというより、一人のサーヴァントとして切嗣を案じているようでもあった。だがそんなセイバーの言葉にも、切嗣は背を向けた。世界を救うためなら、全ての悪を担っても良いのだと。

切嗣の去った直後、それまで心配かけまいとして耐えていたアイリが倒れる。


☆ケイネスとディルムッド
マスターとサーヴァントには共通点がある、という認識でいたので、ずっと考えていたのだけど未だわからないまま。時間切れのためこのまま上げました。(が、またどこがで書きたいなあ) ディルの伝説をただ繰り返すだけじゃあんまりだよね・・・。

2012年04月17日

坂道のアポロン 第1話

坂道のアポロン
第1話「モーニン」


横須賀から佐世保にある伯父の家に預けられることになった薫。
これまで転校を繰り返し、学校や家のどこにも居場所がなかった彼は、ストレス性の吐き気を校舎の屋上で紛らわしながら、どうにか学生生活を送ってきた。遠く離れた父親を求めながら、諦めたフリをしてなんとか精神を安定させようとしている。激しい雨に全身ずぶ濡れになりながら、気持ちよさそうに空に顔を向けるシーンが象徴的。薫の心が張り詰めているのが伝わる、丁寧な導入部分だった。

そんな薫が出会った、体も声も態度も大きい千太郎。
先輩三人を相手に暴れる彼は、同級生からは恐れられ、学校側からは疎まれている。よくわからない方言で絡んでくる千太郎のことを、どう処せば良いのか、友達のいなかった薫にはわからない。所謂不良の千太郎がジャスドラムを叩くと知って、ますます薫は困惑する。しかし、父親のために始めたクラシックを、ジャズも弾けないのかという千太郎の挑発に、薫は千太郎の奏でた曲の練習をこっそり始める。

千太郎のドラムの激しさも良かったけれど、武骨な指で弾くピアノの素朴な音がとても良かった。薫を囲んでいる狭い壁の中で、残響するような感じというか。

楽しみだったセッションは来週・・・。
木村良平さんのちょっと冷めた薫もいいな!
あと細谷さんの千太郎に驚いた。関西の人だとは聞いていたけど・・・。ちはやふるでは福井、今度は長崎か。粗野でぶっきらぼうで男気のある千らしい声。彼らの声で、二人の怒ったり笑ったり泣いたりするのが聞けるなんて幸せです。律っちゃんの声優さんは、放浪息子の千葉ちゃんだ! 今回はどちらかというとヘンリエッタに近い?

2012年04月17日

2012春アニメ 簡易感想(3)

テンプレをひとつ前に戻してみました。
CSSいじるの面倒だったとかそういうわけでは・・・。

・ZETMAN
さながらダークヒーローな変身後のジン、正義=悪を倒すと息巻くお坊ちゃんコウガ。人としての善悪、社会通念を持たなかったジンも、数年経った2話目では街に溶け込み、偏りはあるものの芯の通った青年に成長。コウガの一族の企みや、ジンの正体など、まだまだわからないことだらけだが、キャラクター造形が醸し出す独特な雰囲気が作品全体を覆っている。

火災現場で大怪我を負った母親と子供たちを前に、コウガとジンの取った行動が興味深い。母親を救うために時間をかければ、その分子供たちに危険が迫る。そんな切羽詰まった状況下で、コウガは母親を残して子供たちを救うことを優先しようとする。しかしジンは母子を焼け残ったベッドに押し込み、火事によって抜けた床から一階まで落とすという荒業に出る。結果ジンの選択で母親も子供も全員が助かるのだが、このときのジンは母と子を引き離すくらいなら全員で死んだほうがマシだと言い放つ。落とした母子の様子を見に行ったのはコウガだった。突然現れた怪物との戦いが始まったせいとも言えるが、己の行動の結果を顧みない、理屈に縛られないジンの性格も伺えるエピソードだった。

個人的にこの手の話が大好物なので!
欠けている二人が半目したり協力したりしながらどこへ向かうのか、楽しみ!

ただ、主人公たちを取り巻く人物の多さは、魅力的である反面、それぞれの思惑が交差し出すと、本筋から広がりすぎるという危険も孕む。原作がまだ刊行中らしいので、現在進行形の作品をどこまでアニメ化するのか? どこを切り取るかによってテーマが変質しないよう、うまくまとめてくれることを期待したい。

・つり球
ストーリーなんてあってないものだと思ってる(失礼)
この奇天烈な目が痛くなるほどの彩色というか、崩壊一歩手前でバランスを保ってる配色というか、宇宙人やら出てくる前からどこか寓話っぽい雰囲気がたまらん。前回の「C」が一見真っ当なアニメスタイルだったので不安だったのだけど、金魚鉢を頭に江の島駅の前で突っ立てるハルを見てひと安心。水族館の魚の群れやら、初回から凄いものを見せて貰った。きっと生半可な青春群像劇にはなるまい。

ED久し振りに聞いた「空も飛べるはず」
スピッツのカヴァーなんだけど、女の子らしいほんわか仕様。
うん・・・ハルなら空も飛んじゃいそうだよね・・・。

2012年04月16日

F/Z15

手詰まりの様相になりつつあった。
作戦を立て直すため、「王の軍勢」を展開するライダー。

数分間の猶予を得たところへ、切嗣から連絡が入る。
川辺から状況を把握している切嗣は、キャスター殲滅のための作戦を語る。さらに、事情を知らないウェイバーからの伝達という方法を使って、障害となっていたセイバーの左手親指の呪いを解く算段をつけていた。「セイバーの左手に対城宝具がある」とは、ランサーの呪いを受けたセイバーがそれを発動できずにいる、という意味だ。それを聞いたランサーは、宝具のひとつゲイ・ボウを自ら折り、セイバーの呪いを解いた。切嗣の思惑どおり、騎士の道に正しく在ろうとするランサーとセイバー。

ようやく、エクスカリバーのお目見えである。
清浄な光を纏う黄金の剣を手に、セイバーが宝具の名を高らかに告げる。光輝くその光景を、遠く離れた場所で見つめている時臣と切嗣の背中が印象的だった。聖杯問答ではライダーとアーチャーに否定されて終わったけれど、正しく在ろうとするセイバーの姿には掛け値なしの尊さがある。栄光とともに語り継がれた伝説と等しく、理想を追い続けた者だけが最期に目にすることを許される光。眩しいのは、黄金の剣だけではない。剣を振るう彼女の在り方そのものを示している。「約束された勝利の剣」とはよく言ったもの。

眩い光の中で、キャスターが呪いから晴れるように正気に返るところがいい。
かつてジル・ド・レイが救国のためともに戦ったジャンヌ・ダルクは、神に選ばれた少女だった。やがて祖国の英雄と祭り上げられ、最後は魔女として火炙りに処された。悲惨な伝説に似合わず、ステンドグラスを透過した光の中で微笑む彼女は、とても幸せそうだ。だからこそ、ジルは神を恨んだのだろう。自ら選んだ愛し子を救いもしない、魔導と鬼畜に堕ちた己を罰しもしない、無慈悲で残酷な神を呪っていた。自らが信じる全て、貴きものを貶め、辱めた人々を。だが、そんなことで彼らの得た祝福と栄光が消えて無くなってしまうことはない。「いかなる神にも穢せないもの」はさすがに綺麗すぎる気がするけれど、一人の騎士として最期を迎えられたジルは、幸福だったと思う。

時臣と雁夜の戦いは、あっという間に決着した。
1年そこそこの修練だけで繕った初心者の雁夜では、端から相手にならない。まして彼の扱う蟲と、遠坂の火を扱う魔術では相性も悪すぎた。炎に包まれビルから落下した雁夜は、放っておけばそのまま死んでいただろう。だが彼に治癒魔術をかけ救った人間がいた。言峰綺礼だ。

時臣の弟子として、師に聖杯を齎すため裏事を引き受けている綺礼には、バーサーカーのマスターの息の根を止める義務があった。しかし彼は瀕死の雁夜に延命を施した。切嗣を追い駆けて教会を抜け出していたのとは訳が違う。敵マスターを救うとは、すなわち時臣への謀反である。己の求めるもの、愉悦の在りどころを見定めるため、どうしても雁夜には生きていて貰わねばならない。雁夜を治療する綺礼の口元には、歪な笑みが浮かんでいた。

☆ジャンヌがああああ!!
菫色の瞳が美しい・・・。
聖処女とか、ジル、気持ちわかるうう・・・。
この後わが身に起こる悲劇的結末を知らぬが故の穏やかさとも言えるけど、あくまでもジルの目を通したジャンヌ像であって本当の彼女のことは誰にもわからないんだよね。もしかしたら火刑の際には激しく声を上げたかもしれないし。ただ、セイバーが騎士であろうとするのと同じくらい、聖人であろうとするその姿勢が美しく貴い。

☆エクスカリバー
ようやくセイバーの実力発揮。
2期にして、やっとマスターに実力を見せられたね、やったねセイバー!
snで初めて観たときも鳥肌だったけど、光の粒が収束していくさまは美しかったです。(最後まで求め抗った者だけに見ることが許された夢という点において、士郎とセイバーが見た光もその一部だったのかもしれない) そんなセイバーを「人の領分を超えた悲願に手を伸ばす愚か者」と呼び、その破滅を愛でようと、したり顔なギルガメッシュ。なんかもうこの王様っぷりがギャグにしか見えないのにはどうしたら・・・。

☆綺礼覚醒寸前
治癒魔術シーン待ってましたあああ。
綺礼の魔力に反応して、雁夜の体内の蟲が一斉に蠢くとか、思ったより暴力的な演出にビビった。もっとフワフワしたものかと想像していたのだけど、言峰さんに限ってそんなわけなかったねー。ぜひ代行者時代の彼も見てみたいものです。ここで笑うとは思わなかったので頭に血が上ってしまった・・・。口元に笑みを浮かべる綺礼が、普段の無表情な彼に比べて人間らしく見えるのは皮肉なこと。

2012年04月15日

ヨルムンガンド 第1話

ヨルムンガンド
第1話「ガンメタル・キャリコロード」


武器を考えるやつ造るやつ、売りさばくやつ使うやつ、両親を殺した武器そのものを憎む少年兵ヨナが、武器商人ココの私設部隊に入るところから物語がはじまる。ココが問う、君は銃を捨てられるか?

いつどこで誰を撃つのか、ヨナにとって重要なことはそれだけだった。作戦の全体像やそれぞれの事情に興味がない、というよりも、事情を知ってしまうことで自分が変化してしまう可能性を恐れていると言うべきか。。ココの人格はちょっと特殊なので、それをどこまで描き切れるかが肝だろう。ヨナとココ、二人揃ってこそのヨルムンガンドだから。ココの言う「世界平和」の意味を、ヨナが理解するのはもっと先だ。

分割2クールが決定していると聞いてほっとした。レームやアール、ワイリらメンバーの話もやってくれる!と理解した! 原作のギャグっぽい小ネタについては若干浮いていたのには苦笑。ムンムンガンドはやるかな。やらないかな。伊藤さんのフフーフが自然すぎて(笑) 大原さんのパルメは可愛くって格好良くてたまらん。

冒頭、物語のスケールの大きさを示すようなロケット打ち上げのシーン。
真っ青な海と空、太陽光を反射する艶やかな機体と、その機体を見つめる数人の男女。これは始まりの合図であり、彼らの転機ともなるすこし未来の姿である。制作サイドの気合いに満ちた、美しい映像だった。

OP、川田さんの重い声が新鮮だった。すこし舌足らずな発音がいい。
登場人物がぎゅうぎゅう詰めで嬉しすぎて漏れそうです。アールのロングカットに痺れた!

メンバーの少年兵に対するトラウマをカットしたため、メンバーがヨナを見てビビる理由と、少年兵を入隊させたのは本当だったのかと不快さを露わにするフリーランス武器商人の描写が意味不明になってしまった。ヨナを選んだココの真意を曲げないためにも、今後フォローが必要かと思う。

2012年04月15日

2012春アニメ 簡易感想(2)

fateの感想は明日上げる(予定)
笑みを浮かべる綺礼に、目の前真っ赤になった。すげえなおい。映像の威力半端ない。

・黄昏乙女×アムネジア
Aパートで起きていた不思議現象の理由をBパートで明かす。
夕子さんの存在をおもしろ可笑しく伝えるには充分だったと思う。
幽霊がこんなにエロくて良いのか。いいぞもっとやれ。
やはりセーラーは黒に限る!!!

1話目にして部室にある夕子さんの身体、裏山の「夕子」と書かれた石。謎かけとお色気と、さらにラブコメ? 美味しいとこ詰め合わせだったけれど、どの方向へ展開しても、それなりにまとめられるような気がする。原作は1巻で脱落してしまったので、この先に期待したい。ゾンビに幽霊に、今期のラブコメはひと味違う。

OPは鈴木このみ。
グランプリのときテレビで観たきりだけど、高音域は相変わらず安定している。もっと音域の広さを活かした楽曲でも面白かったと思うのだけど、軽くメタル調ながら耳に馴染みやすい楽曲は、充分彼女らしいものだった。

2012年04月14日

パリ〜ルーベ2012

北の地獄、クラシックの女王。
さまざまな呼び名のついた、石畳区間を含めた全長257.5qの死闘!

Paris-Roubaix2012
開催:4月8日
公式:http://www.letour.fr/2012/PRX/COURSE/us/index.html

53qもの一人旅で真っ先にルーベに姿を見せたのは、トム・ボーネン!!
E3、ヘント、ロンドに続き4連勝は史上初!
ロンド&ルーベ同年勝利2回も史上初!
ルーベ4勝目は史上二人目!

記録尽くしの勝利だった。

記録も数字も大事。しかしそれ以上に、ただただ前を向いて一人50q以上も逃げるボーネンの姿が焼き付いて、二度と忘れられないレースとなった。強い向かい風の中、ときおり顔を歪めながら、それでもペダルを踏み続けるボーネンは、本当に本当に格好良かった・・・!

リザルト@CN
http://www.cyclingnews.com/paris-roubaix/results

優勝大本命と言われ、国の期待を、エースの重責を背負って、自分を信じて飛び出すことがいかに難しいことか、ロードレースを観ている人ならわかるだろう。単独で50q以上走る苦しみも、飛び出すことの恐ろしさも。どれだけの勇気がいるか。得意なコース、走り慣れたコース・・・それだけでは勝てない。己のコンディション、チームメンバーやバックアップ体制、他チームの戦略、ときには天候、パンクやチェーン切れ、補給といったトラブルをいかに少なくして、運も味方にして、それでも成し得るかどうか。それほど困難な道のりだ。

57q地点でテルプストラを連れてボーネンが飛び出したときは目を疑ったし、さすがに長距離逃げはないと思った。1q、2q・・・5qを過ぎたあたりで(足がなくなったテルプストラを放って走るあたりから)、これは本気のアタックではないかと思い始める。胸がざわざわして、テレビの前で急に落ち着かなくなる。でもまだ半信半疑だった。なにせゴールまで50qもあったからだ。常識的に考えて、エース級の選手が単独で逃げる距離ではない。しかしボーネンの足は緩まなかった。

思えば、残り80qくらいからステーグマンを投入した時点で、今日のオメガファーマクイックステップは対応が早いなあと思ったんだった。そのあとシャヴァネルがパンクで下がってしまって大変!と。余計な心配だった・・・。

Jスポ解説の飯島さん、ゲストのフローラン・ダバディ氏がまた良かった。
・前は痩せすぎ。ボーネンはこれくらいガシガシ踏んでるくらいがいい。
・フラマンもワロンも関係なく全ベルギーが応援しているに違いない。
ネタ元をしっかり口にするダバディ氏。好感がもてました。
ジャーナリストなんですね。ボーネンのレース前コメントやら有意義な情報が多くて、状況説明や戦略予想は飯島さんの的確な(ときどき面白い笑)コメントあり、久し振りにずっと気持ちの良いレースだった。またぜひお願いします!

うろ覚えで申し訳ないのですが、以下ダバディ氏が語っていた、ボーネンのレース前インタビューのコメントに痺れた。格好良すぎ・・・。
「(レース前今回勝利すれば4つ目だと言われて)もし勝つことができるとしても、ヴェロドロームに入ってくるときは、謙虚な気持ちでいたい。4勝目だとか(フランドルと)連覇だとか考えず、「勝つこと」だけに集中して走るよ。」

2012年04月08日

2012春アニメ 簡易感想(1)

・宇宙兄弟
日曜日の朝から人生の挫折とか、それ子供向けアニメとしてどうなんだ・・・。
自分を信じてくれる人を裏切りたくない、失敗して自分の夢を自分自身で否定することにならないよう、一歩も動けずにいる兄貴の自尊心とか悲哀とか、ヘヴィすぎるわぁ・・・。幼いとき弟と語り合った夢が、向かい合おうとする心を躊躇わせる。自縄自縛のムッタだが、この先自分の心とどう折り合いをつけてやっていくのだろう。
ユニコーンの新曲が聞けて満足。

・さんかれあ
ゾンビっ娘との青春ラブストーリーとはうまく言ったもの。
一度死んで生き返った少女にしか恋愛感情を持てない降谷千紘。明らかに歪んだ性癖であり、変態の域を超えた性的倒錯である。この設定をコメディ的なものにすり替える方が簡単だったろうに、スタジオディーンは正面切って描こうというのか。

自分の娘に異常な執着をみせる父親。(復活させるためとはいえ)愛猫の死骸を押入れに隠す行為、どちらも性的なものを想起するに充分である。お嬢さまが本当にソンビっ娘として生き返ったあとはラブコメになるのかもしれないけれど、予想以上に期待ができそう。

・アクセル・ワールド
プログラムを実行すればこの世界が壊れてしまうと聞いても、主人公に迷いはない。それは、正義感や好奇心といった前向きなものとは正反対の、自分を苦しめるだけの現実なら壊れてしまえという、主人公にあるまじきネガティブな思考から発した行動だった。プログラムの実行を決意するのに2秒かかったという副委員長もまた、なにかを抱えているのだろうか。

単調なバトルものになるとすぐ飽きてしまうのがなあ・・・。
人間関係をうまく処理しつつ、見せて貰えると楽しめるのだが・・・。

2012年04月08日

F/Z14

3ヶ月のブランクなど無かったかのように始まった第14話。
以下、久し振りにと気合入れたらいつも以上に長文です。

セイバーとライダーの攻撃によって受けた傷を瞬く間に再生させながら、キャスターを取り込み巨大化した海魔は、少しづつ河岸へ近づいていく。幸いと言えるか、魔力により生じた濃霧が戦いのようすを隠していたが、河川敷には一般人の野次馬たちが集まり出しており、事の露見を避けられない状態になりつつあった。

遠坂時臣は、大惨事一歩手前のパニックを忌々しげに見つめていた。
魔術の秘匿が破られかけていることは勿論、冬木のセカンドオーナー「遠坂」の体面、地位すら危ぶまれるほどの事態であった。戦いに駆り出されたアーチャーは、眼下の醜悪なようすにすっかり興ざめしており、「乖離剣による海魔の消滅」を進言するマスター時臣の言葉を採り合おうともしない。冷めた英雄王と焦る時臣との温度差は、この陣営の状況を端的に表していた。打開策が見つからないところへ、追い打ちをかけるように、間桐雁夜が差し向けたバーサーカーが現れた。アーチャーとバーサーカーの空中戦が開始。

一方、時臣は敵マスターである間桐雁夜と相対する。
桜を間桐へ寄越したこと責める雁夜と、責められる理由が理解できない時臣。稀有な力を持つ二子を両方生かせる最良の手段を取れたこと、愛する我が子二人に魔術師として誉ある未来を約束できたことは、父として魔術師として誇るべきものであって、責められる謂れはまったくない。価値観のまったく違う二人の会話はどこまでも噛み合わない。向かい合う雁夜と時臣の距離感、それぞれの表情と背が並んでいるような構図は、決して交わらない二人を示しているようだ。

優雅が信条の時臣が侮蔑と怒りに声を上げるのが、この雁夜との対決である。
魔術を棄て、家督を棄てた雁夜を「裏切り者」と呼び、人としての責務を果たさない「人以下の犬」と切って捨てる。根源の渦を目指しブレない鋼の意思。魔術師は利己的であるというのは、一般の価値観からみた姿であって、遠坂の家督を継ぐ者として、業界全体を見据えた決断をつねに迫られ続けてきた時臣は、なんというか、魔術師として完成されすぎているのだろう。(愉悦に揺れることもないわけで、アーチャーにつまらないと言われるのも当然だ。) 間桐には臓硯がいるせいで曖昧になっているけれど、後継者の不在は、連綿と受け継がれてきた研究の断絶であり、その一門の魔道の終焉を意味する。小さい頃から厳しい修練を重ね、辛苦を舐めてきた時臣にとってみれば、雁夜の態度は「責任の放棄」に他ならない。自らの逃避を棚に上げて反省もしないなど、魔術師としてあってはならないことだった。だから彼は「誅を下す」と言ったのだ。

とまあ、こんな難しいことは置いておいて、時臣の両側に凛と桜と葵の姿が浮かぶシーンが、全てを物語っていると思う。時臣の言っていることが理解できない雁夜ですら幻視してしまうほど、時臣は彼女たちを愛している。これが映像の凄いところだな。

川では魔物と英霊の死闘、上空では自衛隊機と光る飛行物体が飛び回る。
大スペクタクルの饗宴に興奮し大声を上げる龍之介だったが、そこを闇に紛れた切嗣に狙われた。己の腹部から溢れ出す鮮血に、目を輝かせる。死について真実を欲していた龍之介が、最後に見つけたもの。原作にない台詞が追加されたのは良かった。(灯台下暗し・・・のあとは追加された部分のはず) 初めて実感する「死」に満ち足りた表情を浮かべて、彼は死んでいった。

巨大化した海魔を消滅するには、セイバーの対城宝具が必要だ。
ランサーの呪いによって封じられたセイバーの左手を取り戻し、それを発動させる。
河岸で狂乱を見つめながら切嗣が思いついた方法とは・・・。


☆新OP
前回の記事で楽曲については書いたので、今回は映像について。
夕焼けの中丘に佇むセイバー。大地に無数に刺さった剣はおそらく墓標。顔に浴びた血を拭いもせず茫然と丘に立つセイバーの姿は少女のままで、ひどく痛々しい。
水に泥に沈んでいく切嗣が意味深でよかった。アイリやイリヤに向ける微笑みは、どこか苦さのようなものが見え隠れしていてずっと気になっていたから。まるで幸福の中では息ができないとでも言うように、切嗣は苦しそうに笑う。そんな切嗣を抱きしめようと頬を寄せるアイリ。切嗣のことが愛しくて仕方ないと、彼女の表情が指先が告げている。
教会の中、像に向かって額づいていた顔を起こす綺礼に滾った。
彼の深い信仰心と切嗣に対する執着は、どちらも同じものを端にしていると個人的に考えているので、それに最後まで気づかず苦しむ綺礼が見たくて見たくて。のた打ち回ればいいよ。
各陣営マスターとサーヴァントについては、暗闇の中、夕日や月光に照らされてるものばかりだった。一期の表情まで捉えたカットに比べ、遠景で描かれているせいか物悲しい印象だ。象徴的だったのは、いつも明るさの中で描かれるライダーとウェイバー。彼らが暗闇でああしている姿は珍しい。

☆新ED
ドラマCD思い出してうわあああとなった。というくらい衛宮夫婦である!
生まれたてのアイリの腕を取っている切嗣は20歳くらい。若干顔が幼い(笑) アイリの胸に抱かれて顔を覆う切嗣は、どこか母と子のように見えてしまう。アニメのアイリはどこか聖母めいていて、原作の幼な妻的なイメージもいいけど、母性を強調した今の関係も捨てがたい。OPと合わせてみると胃のあたりがぎゅっとくる。

☆セイバーがまたしても空気
ネタ的においしいです。
お楽しみは来週に!

☆アーチャーVSバーサーカー
天の浮船とも評されるヴィマーナ。もっと箱のようなものをイメージしていたのだけど、大きな鳥のような外観でした。重力や動力を無視した、現行の飛行装置ではあり得ない滑らかな動き。F15J機と比較して見ると面白い。ヴィマーナとF15J機の空中戦は見応えあったけど、あの暴風の中、一糸乱れぬ英雄王の髪型の方が気になってwww

2012年04月07日

F/Z 二期放送直前

二期放送直前!
いてもたってもいられず叫んでおこう。

公式HP http://www.fate-zero.jp/

公式トップ絵が変わった。
綺礼がたいへんよい笑顔(笑)
覚醒直後の、まだわずかに若さを残している表情が、秀逸。


OPの月の光〜と聞くだけで膝が砕けそうになる。
一期のOPはFate/Zero全体を現していたけど、今度は完全に切嗣(というか衛宮)にテーマを絞っている。「始まりに至る物語」らしい素直な楽曲。UBWのMADと合わせられたものを聞いて、別のなにかを開いてしまいそうになった。
「きみの嘆きを信じて」という言い回しが好き。嘆きを叫んでいるだけだった一期との対比としても美しい。物語として怒涛の展開を迎えるわけだけど、一方でどんどん闇へ近づいていく面と、それに立ち向かおうとする力強さも併せ持つ後半のイメージを、よく表している気がする。

2012年04月07日

ツール・デ・フランドル2012

フランス表記ではツール・デ・フランドルと読むロンド・ファン・フラーンデレン。
「クラシックの王様」と呼ばれる伝統の石畳を含む過酷なワンデイレースですが、今年はカペルミュールを廃し、ゴールの街もボスベルグからオウデナールデへと変更された。なんと30年以上ぶりのレイアウト変更だと言う。

丘の上の教会に向けて選手たちが突き進むカペルミュールは、フランドルを観る上で大きな特徴であったし、とても美しい光景だったので、それが観れなくなってしまったのはとても残念。一方で、オウデ・クワレモント、パテルベルグ、コッペンベルグを周回する後半は、きっとこれまでとは違う展開が観れるのはないかと、観る前からわくわくしていた。

Ronde van Vlaanderen2012
開催:4月1日
公式:http://www.rvv.be/

リザルト@CN
http://www.cyclingnews.com/races/tour-of-flanders-2012/results

結果はボーネン、ポッツァート、バッランのクラシックを得意とする3人による、ゴールスプリントとなった。早掛けしたバッランをパスして、追いすがるポッツァートを並ばせることなく、新生フランドルを制したのは、トム・ボーネン!! E3、ヘントときてフランドル、ボーネンはこれで三連勝!!

1回目のクワレモントは嵐の前の静けさ。どのチームもどの選手も様子見の状態。レースが動き始めたのは2週目の途中だった。補給地点で落車し鎖骨を折り、優勝候補のひとりカンチェラーラがリタイア。けれど、その後の展開は思わず呻ってしまうくらい素晴らしいものだった。

優勝したボーネンをエースに据えたオメガファーマクイックステップは、後半周回に入ってから温存していたステーグマンとテルプストラ、シャヴァネルを投入。特に、アタックをひとつひとつ潰していくステーグマンのアシストぶりは鬼気迫るものがあった。集団が中切れを起こし、先頭集団にボーネン・ステーグマン・シャヴァネルの3人が入ってしまったときも、シャヴァネルを飛び出させ、それを他のチームが追わざるを得ないように誘導しつつ、アシスト二人の足を最小限に抑えた戦法を選ぶなど、かなりのレース巧者ぶりを見せてくれた。それもこれもボーネンを勝利させるためであったと思うと、胸が熱くなる。

クワレモントの周回ではチーム力の差が大きく出てしまうだろうなと、視聴前に個人的な予想を立てていた。パテルベルグ前後の細い道があるかと思えば、10q近く続く広く平坦な道もあり、チームのメンバー構成を間違うと、最後までエースを温存することは難しいだろうと素人ながら考えていた。その点では、優勝したボーネン、オメガファーマクイックステップらしい戦いだった。

興味深いのは、2位ポッツァートと3位バッランの二人。
バッランは本人は元よりクラシックを走り慣れたBMCのアシスト陣(ハスホフトも今回は控えだったようだし)に守られていたので置いておくとして、後半単騎となったピッポが、最後の最後まで残ったことは注目すべき点だろう。ジルベールが三周目まで残っていたこと、最後三人には遅れを取ったが最後まで健闘したサガンについても記しておきたい。チーム戦略だけに頼らない、新しいフランドルの戦い方が始まるような予感すらする。

カンチェの件だけでなく、パンクといったメカトラではない事故やアクシデントが頻発した新生ツール・デ・フランドル。伝統のレースが今後どのような変貌を遂げるのか、ますます期待が高まる。



※ところで、観客と選手がぶつかるというショッキングな映像がありましたが、なんというか・・・選手が近づいてきたときに突然動く(道幅いっぱいの選手たちを避けるのは別)のはやめよう。選手たちは止まっている観客なら勝手に避けてくれるから。そもそも無謀な(=危険な)場所での観戦はやめましょうね・・・。避けて転んだ選手は大丈夫だったのだろうか・・・。あんなことで骨折、シーズン前半駄目になんてことになったら泣くに泣けない・・・。
  
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