2012年07月30日

ロンドンオリンピック2012 男子自転車RR

NHKのストリーミングは(予定どおり泣)残り20qくらいから視聴。
BSの録画分も視聴終わりました。

解説も実況もなく現地音声のみだったストリーミングでしたが、なかなかに楽しかったです。
ゴール後インタビューを受ける選手や、選手同士が声を掛け合っているのもマイクが拾ってくれていたので、ちょっとミーハー気分が味わえました。なのでレース終盤コーナーで転倒して優勝争いから零れてしまったカンチェラーラが、ゴール後、チームの人に抱えられて涙している場面には、はっとさせられたというか。右鎖骨あたりをちょいちょい気にしていたのも心配です。

生の音声という貴重な体験をできたのは良かったのですが、残り距離や、逃げから集団までのタイム差など情報が少なかったのは残念でした。あとヘリ映像がかなり望遠気味で、先頭のバイクカメラとほぼ二点切替に終始していたのが物足りなかった。あれは市街地の飛行規制のせい?

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ヴィノクロフ、引退の花道を飾るゴールドメダル獲得!!! 

ウラン君は、なんと、銀メダルだっ!
老獪ヴィノ大佐に、若きクライマーのウラン君が勝てるわけなかった!
追走の影が見えないと素早く判断したヴィノは、ウランの背後でわずかに左右に動きつつ、ウランが左肩口で大きく振り返った瞬間、死角となった右側からウランを抜き去った。少数スプリントのお手本のような、ヴィノの勝利だ。

リザルト@CN
http://www.cyclingnews.com/2012-olympic-games/olympic-mens-road-race/results

SKY・・・違った、イギリスチームは本当に強かった。
強すぎた。
ツールで見せた徹底力、恐ろしいまでの精神力。
強すぎた彼らは、しかし、ツールで8名だったことに比べてカヴを入れて僅か5名だった。カヴェンディッシュという、不動のエースを抱える彼らは逃げを吸収しなければならない。20名ほどの逃げ集団を、最後の最後まで追いかけプロトンを牽きまくった。結果、勝負前に売り切れ。グライペルを抱えるドイツらが後を引き継ぐも時すでに遅し。

これがイギリス包囲網か。
ツールでSKYは本当に、圧倒的であったから、故に連合軍の結束も強くなるというもの。とはいえ、少数しか招聘されなかったガザフのヴィノと、コロンビアのウラン君がワンツーとは、レースの妙である。

フミが逃げに乗り、よりスプリント力のある新城が集団に残る。
2名の挑戦を考えると、これ以上ない選択であるが、オーダーを実行できるかどうかは、選手の力量に掛かっている。そして、この最良の選択を実行してみせた二人は、間違いなくグランツールに出場するレベルのロードレーサーであった。いや、すでにジロ・ツール・ブエルタって三大グランツール出場しているわけだが、今回のオリンピックの結果に、しみじみと感じ入ってしまった。

今年のレース展開は(イギリスが強すぎたせいで)わりと読みやすいものだったかもしれにあ。4年の一度の祭典ということもあって、多くの国が逃げに乗りたがっていたし、その中に食い込むのは並大抵のことではなかったはず。プロトンの中で、二人の居場所が着実に出来上がっている証明だ。とにかく、お疲れさまでした!

☆生粋スプリターのみなさん
集団の先頭を獲ったのはグライペルだった。
次がボーネン、カヴときて、フランス期待のデマールがここに。覚えておこう。ちなみに、その少し後ろにサガンも(たった一人で出場してこの位置だもの。恐ろしい子)

☆タイムトライアル出場組
リタイアしたマルティンと、転倒したカンチェは大丈夫だろうか・・・。

イタリア、スペイン、フランスといった、いつもの大国が攻めあぐねていたような印象だった今大会。かつてない英語圏の台頭が目立つ近年ですが、4年後のオリンピックはどんなレースになりますか。

2012年07月28日

ロンドンオリンピック2012 自転車競技関連

男子自転車ロードレース
開催日:7月28日 18:00〜24:00
男子自転車タイムトライアル
開催日:8月1日 22:15〜24:05


うおう、日付が変わったので、今日になりますね。
例年どおりなのか、今回も開会式翌日に男子エリートRRです!
今年はNHKがネット生中継(解説無)してくれるそうです。
下手な編集されるよりよっぽどいいや。(意外に執念深い)
(29日BSで録画放送もあるようです)

RRスタートリスト@ロンドン五輪公式HP
http://www.london2012.com/cycling-road/athletes/event=cycling-road-men-road-race/index.htmx
なぜかアルファベット順という摩訶不思議なリストである。
せめて国別に・・・。でも顔写真つきは新鮮。

250qということで、前回大会とほぼ同じ。
ただし周回に含まれる丘は平均勾配7%、それを9周回する。
シャンゼリゼ4連覇を果たしたばかりのカヴェンディッシュが開催国というアドバンテージを活かしつつ、勢いそのまま掻っ攫っていくのか。スタミナ勝負になればボーネンやボアッソンハーゲンらにも勝機がありそうだし、楽しみです。

とはいえ、仕事なので、最後の1時間くらいしか観れないかも。
レースの平均速度があまり上がらないことを祈ってます・・・。

cyclowiredさんが綺麗にまとめられているので貼っておきます。
http://www.cyclowired.jp/?q=node/88864

2012年07月22日

ココロコネクト 第3話

ココロコネクト
第3話「ジョバーとローブロー」


人格入れ替わりに慣れてきたような男たち太一と義文は、それぞれ唯と稲葉の身体を使ってあれこれ楽しんでいる(と言っても小学生のいたずらレベル。残念ながら?) それくらいには、人格転移が二人にとってすでに日常と化しているということ。

前回、「義文が伊織のフリをして唯に触れようとしたのでは?」と書いたのは大外れでした。ひょーお恥ずかしい。男性が近づくと反射的に唯の身体が緊張することに気づいた義文は、その疑問をメンバーの前で口に出してしまう。それは唯のトラウマだった。明らかにしたところで、太一や義文に気を遣わせてしまうことを嫌った彼女の、隠したい心の傷だった。

稲葉に自己犠牲野郎と呼ばれても、太一は苦しむ唯を放っておけない。
自分が妹と家のリビングでテレビを観ているそのとき、真っ暗な部屋でひとり唯が泣いていたことを知った太一が、黙っていられるはずがなかった。入れ替わった唯と太一が、公園で掛け合うシーンは見事だった。急所を狙われた男性がどれほどの痛みを感じるか、身を以て体験した唯と、唯のために今なにができるか考えた末の太一。たったこれだけで気が楽になるとも思えないのだけど、唯の身体と声で話す太一の言葉が、太一の身体と声で話す唯の気持ちが、すんなり耳に入ってきたのは、なにより、声優さんの力だと思う。

プライバジーを著しく損なう人格転移の問題。
稲葉は不安定な伊織を案じている。と同時に、ニブイながら相手のために献身的な行動ができる太一が、伊織の支えになれるのではないかと期待していた。そのことを稲葉の口からき聞かされても、太一にはピンとこない。メンバーの前で、いつも明るく笑っている伊織が考えていることなど、まだ想像できないのだろう。

伊織が登場したのはわずかばかり。
放課後、他のメンバーに内緒で母親と待ち合わせていたのも気になる。唯のトラウマがあっさり1話で明かされてしまったのだけど、伊織や稲葉についてはじっくりやって欲しいなあというのが、正直なところ。あと、前回主人公の影が薄いのが気になると書いたら、それを逆手にとった方法を使われてしまって、妙に納得してしまったです。嫌味っぽくならないよう、天然らしいエピソードが増えてくるといい。

いつもヘラヘラしているというか、ぼおっとした穏やかな太一に対して、OPのところで「もっと笑え」って書かれているのが、ずっと気になっている。あれは他のメンバーからその人物に対して宛てられたものだと思っているんだけど・・・。もしそうなら誰が書いたんだろうなあ。最近リアクションが大きくなったという稲葉の指摘も面白い。

2012年07月19日

超訳百人一首 うた恋い。 第1話〜第3話

超訳百人一首 うた恋い。
第1話「高子と業平 在原業平朝臣」「行平と弘子 中納言行平」
第2話「貞明と綏子 陽成院」
第3話「宗貞と吉子 僧正遍昭」


百人一首の歌になぞらえて、詠み人を主人公にした平安時代の男女の物語。
1話完結型でわかりやすくテンポも良い。恋愛を歌ったものが多いので、どうしてもそちらメインになりますが、30分と短い中にうまくまとめられており、(湿度の高いジメっとした話はあまり得意ではないのですが)この短さが逆に湿っぽくなりすぎず、観やすいですね。かと言って、人物たちの心情をおざなりにすることもなく、とても良いバランスです。

1話目Aパートは、負けん気の強い藤原高子と、プレイボーイ在原業平の家柄に引き裂かれた恋。Bパートは、業平の兄・在原行平と妻弘子の夫婦の在り方。2話目は、17歳で退位した陽成院が妃綏子内親王へ宛てた歌。3話目は、良岑宗貞(後の僧正遍昭)と小野吉子(後の小野小町)、幼馴染二人の叶わなかった想いを描く。

一口に悲恋ものといっても、当世の時代背景、貴族たちの流行や慣習を挟みつつ、どこかしみじみとした余韻を残す。これは平安時代という400年にも及ぶ、長い長い時代を題材にした利点だと思う。各詠み人の人間関係が複雑に絡み合うので、相互的に描くことでその人物像を掘り下げることができるからだ。たとえば、業平と高子のエピソードは切なくも美しい思い出として語りつつ、2話目では陽成天皇を挟んで、母としての高子、お目付け役?の業平を描くことで、人物像に多面性を持たせることに成功している。

ただこれもやりすぎると頭が混乱してくるので、ほどほどにやって頂けると・・・。
というtanizakiのような鳥頭を落ち着かせるためにか、3話目では少し時代を遡って、六歌仙のうち若き僧正遍昭と小野小町について触れています。2話が880年くらいだとしたら、3話はその40年ほど前になるか。小町と業平も交流があったとされており、そのあたりは来週描かれるようす。若い業平と文屋康秀が楽しみ。

2話の貞明と綏子なんて、少女漫画そのもの!
きゅんときて、じんわり気持ちがいい。
現代につづく物語の基礎というか、単純でわかりやすい分、大勢の人に受け入れられてきた部分ですね。これもまた解釈の違いはあるのでしょうけど、業平の言うとおり、いろんな解釈が成り立つ歌だから良い、というね。

どのエピソードをとっても、物語として充分楽しめるレベル。
人物関係を知っているとまた違った見方もできる、一粒で二度も三度もおいしい作品です。

☆素敵な声優陣
諏訪部さんの業平といい、夕夜さんの宗貞といい、イケメンすぎて困る。
遠藤さんの小町は、凛としていながら可愛らしさもあって、凄く良かった!
早見さんの高子も良かった〜。梶君の定家と、代永さんの紀貫之はどことなく似ていて笑ってしまった。
ここまで、わりと違和感のないキャストで、観ていて安心できます。あとOPがエロス。

2012年07月15日

ココロコネクト 第1話〜第2話

ココロコネクト
第1話 「気づいた時には始まっていたという話」
第2話 「なかなか面白い人間達」


1話目から人格が入れ替わるという話です。
それも2人どころか、5人のうちでランダムに起こるというトンデモ展開。
他の部からあぶれて、なにをするでもなく集まった、八重樫太一・永瀬伊織・稲葉姫子・桐山唯・青木義文の5人。文化研究部と名はついているものの、活動内容は個々のやりたいことに任されているらしい。月刊の冊子を作成しているのが、唯一の部活動だろうか。

キャラたちの下地もない状態で、日常と非日常を混合させた上に、登場人物たちの隠された傷を暴いていく。原作未読の視聴者を手探り状態にしたままの、かなり強引な手法なので、下手をするとイメージの押し売りというか、こちらに考える隙を与えない上から目線な作品になってしまうところを、人物描写を丁寧に見せることでうまく制御していると思います。

一見委員長タイプの稲葉は、5人のメンバーの中でもとびきり口が悪い。仲の悪い兄がいて、可愛らしい伊織にだけは強く出れない。後藤の部費使い込みの件から察するに、情報収集能力・分析力に長けている。進行状況を太一に確認していた点から、月刊冊子は部活動の体裁のために彼女が発案したのではないかと思われるが、もしそうなら、クールに見えて実は責任感が強く情に深い面も考えられる。これが稲葉姫子というキャラクターの骨格だろう。あとは人格転移によって、他の4人をどう見ているのか、4人からどう見られているかで、肉付けされていく。特にアイドルタイプの伊織はわかりやすいです。一番ギャップを描けるキャラクターであります。忙しい母親に心配かけないよう、ホットミルクで舌を火傷したなんて些細なことまで隠してしまう性格だとか、唯や伊織だけでなく、5人がそれぞれかなり作り込まれています。主人公っぽい太一が少し影の薄いというのが気になりますが、それが彼の人物設定でもあるのでしょう。

キャラクターの入れ替わりによる混乱はそれほどありません。
おそらく原作のキャラクター造形がしっかりしているのでしょうね。しかし、後出しの人物描写をミステリ風に見立てる演出のうまさによるところも大きいかと。2話目、外見義文・中身伊織の状態で唯に触れようとして拒絶されたというエピソードなんて秀逸でした。きっとこれ伊織のフリをした義文だろうなと思わせてくれるし、義文がなぜそのようなことをしたのか、なぜ唯が拒絶したのか、伊織のフリをしてまで拒絶された義文の気持ちとか、いろいろ考えさせられる場面でした。

後藤先生の身体を乗っ取ったフウセンカズラ?が出てきたところは若干違和感ありましたが、この作品の世界観(人格転移だけでなくさまざまな超常現象が起こる)は理解できました。しかしながら、人間関係に重点を置く作品のようなので、日常と非日常のバランスがどんどん難しくなるでしょうね。そこで、「謎を解くよりも君たちがやるべきことは他にある」というフウセンカズラの台詞が効いてきます。

とまあ、今期一番のベタボレなわけですが。
CMがひどいネタバレですよ・・・。
てっきり伊織がメインヒロインポジションで太一とくっつくと思ったのだけど・・・。アニメでは恋愛が副次的なものになるんだろうか? だとしたらこの程度のネタバレも問題ない、のか・・・。うーん。ちょっと原作読みたくなってきました。

OPは別名義ですが、riyaさんですね。
リフレクティアやきらきらも大好きですが、今回も透明感があって、少し寂しげな、繊細な旋律が作品にもあっていて素敵です。そうか・・・、今クールで放送されている「TARI TARI」との相似性は、音楽の影響かもしれません。

※って読み返したらすっかりキャラ名勘違いしてた。訂正しました。

2012年07月06日

F/Z25(最終回)

いまさらですが、Fate/Zero最終回感想です。
まだまだ考え中なのですが、とりあえず、上げときます。
言うまでもなく、長い! 長いよ!!

※前提※
アニメZeroから入って小説読了。
アニメstay night視聴済み。
ゲームstay nightはFateルート途中。
相互関係によってどちらにとっても盛大なネタバレとなります。


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エクスカリバーによって、聖杯の器は消滅した。
しかし受け止めるべき器を失った泥は、冬木の町へ流れ出す。そこかしこで火の手が上がり、人も建物も触れたもの全てを焼き尽くす聖杯の泥。阿鼻叫喚の地獄絵図だった。

アーチャーは受肉を果たし、アーチャーと契約していた綺礼は、瓦礫の中で目を覚ました。切嗣によって撃ち抜かれた心臓は止まったままだが、泥の魔力供給によって綺礼の肉体は維持されている状態だ。聖杯は失われてしまったが、結果だけを見れば、生き残ったギルガメッシュと綺礼は聖杯戦争の勝者であり、聖杯が齎した現実こそ、綺礼が望んだものだとアーチャーは説く。すなわち、破壊と地獄をもって愉悦であると。

ギルガメッシュの言葉に、綺礼はついに得心する。
虚無などではなかった。
20年という歳月をかけて心身を鍛えてきたのは、一心に神の教えを信じていたからだ。神が説く道徳を、正義を、美しさを信じていた。人と同じものを美しいと思えない自分に苦しみ、人と同じ家庭を持てばと妻を娶りもした。苦痛と鍛錬を繰り返してきたのは、ひとえに覗き込んだ深淵の歪さから目を逸らすためだった。綺礼の苦悩はどれほどだったろう。言峰綺礼の魂は神の教えに反する存在だった。そう認めたとき、綺礼が感じた絶望ははかり知れない。自らの絶望すら甘美に感じる魂の歪さに哄笑し涙を浮かべるほどに。

理解は新たな問いを生む。
創造主である神は、なぜ己のような存在を作り出したのか。
切嗣に撃たれる直前に綺礼が叫んだ「自らの誕生を願っている」は無意識のものだった。前回感想で先走って書いてしまったけど、あれが今回書きたかったすべてだなあ。存在の矛盾を抱える聖杯を誕生させることで、その理屈も解けるかもしれないという。

ギルの定義によって綺礼は己の本質を認めるわけだけど、聖杯が冬木に大災害を齎したのは、切嗣の正義を執行するためでも、綺礼の願望を叶えるためでもなかった。(このあたりはFate/hollow ataraxiaに詳しく出ているらしいが)人の欲望によって祭り上げられた聖杯が、願望を叶える手段として大量虐殺を組み込んでいるだけの話。そもそも聖杯は己と同じ本質を持つ綺礼ではなく、「すべての悪を担う」と言った切嗣に受け止められることを願っていた。少なくとも第4次の時点で聖杯が綺礼に求めていたのは、切嗣との対峙だったと考えると、綺礼に二度も令呪を与えたこと、10年後、綺礼に令呪を与えなかったこととも辻褄が合う。令呪が宿らなかった綺礼にしてみれば相当のものだったと思うけど、それでも聖杯を誕生させるためなら、彼は迷わなかったろう。

死んだと思われていた雁夜も生き延びて、間桐邸へ戻っていた。
幸せな夢の中で死んでいく雁夜は、哀れを通り越して滑稽ですらある。死にゆく雁夜を一瞥した桜は、眉ひとつ動かさず「馬鹿なひと」「おじいさまに逆らうから」と呟いた。倒れている男を雁夜とも、知らないおじさんとも、認識しているのかいないのか、わからないようぼかされていた原作に比べてずいぶん非情な結末だった。だが、個人的にはこれでスッキリした。
雁夜は優しいから、桜の辛い毎日を少しでも和らげようと、聖杯戦争が始まるまでの一年間、できるかぎり桜に声をかけ続けていたはずだ。でもそれは本当に桜の救いになっていたのか、ずっと疑問だった。桜の声に蔑みすら感じたのは、立ち位置のせいだけではない。snの感想で書いたとおり、自分は必要のない人間だからと思わなければ、正気を保つこともできないほど追い込まれた子供にとって、声をかけてくる雁夜は、自分がまだ人間であると意識させる存在だ。そして「遠坂桜」を思い出せる存在。小さな桜が擦り切れていくようすが痛いほどわかる。透明になろうとしている桜にとって、雁夜の存在は苦痛でしかない。桜が雁夜を「雁夜おじさん」と認識しなくなったのも必然だった。
桜が本当に救われるのは10年後。そのとき、わずかでも小さい彼女を救おうと奮闘した男のことを思い出してくれたらいい・・・。そうしたら、雁夜もきっと救われるよね・・・。でも思い出すことで桜が苦しむなら、この数年間のことなんて、忘れていて欲しいとも思う・・・。

キャムランの丘に戻されたセイバー。
ランスロットの言葉を反芻して、セイバーはその場に崩れ落ちる。
臣下ひとりを救うこともできないで、なにが王か。
誰よりも貴い人を裏切ってしまった自責を抱えてランスロットと王妃を苦しんでいた。その罪悪感を王自らの怒りで断罪されていればどれほど楽だったろう。彼らが求めていたのは無償の赦しなどでなく、妻を寝取られたこと、忠節を裏切られたことに対する一人の人間としての怒りだった。けれど清廉なアーサー王は決して私怨を見せることはなかった。
アーサー王として選択を間違えた結果がキャムランの丘だというなら、岩から剣を抜いた瞬間から間違っていたのではないか。聖杯と特殊な契約を結んでいるセイバーは、聖杯を手に入れるまで何度でもこの場所へ戻される。死ねない身体を授かったセイバーにとって、これは永遠に続く罰だ。自らの王としての資質を疑い、購えないほどの罪を背負って、ただひとりきり、セイバーは慟哭する。彼女が初めて弱さを曝け出すことができたのが、屍の山の中、王として装う必要のない場所だった・・・というのは、本当に皮肉が効いている。

冬木の町に大きな爪痕を残し、第4次聖杯戦争は終わった。
それぞれ生き残った者たちのその後が描かれる。

世界中を旅したいと考えたウェイバーは、もうしばらくマッケンジー宅に住まわせて貰うことにしたようだ。空き缶やペットボトル、食べかけのお菓子の袋と、イリアスの詩集。ライダーの残していったものに溜息をつきながら、隅においやられた紙袋に気づく。中から、新品のゲーム機とソフト、大戦略のTシャツが出てきたときのウェイバーの、くすぐったいような切ないような、呆れたような苦笑いが良かった。

時臣の葬儀は小雨が降る中行われた。
喪主を務めたのは、遠坂を継ぐ凛だった。本来なら母親の葵が務めるところだが、葵は雁夜に首を絞められたことで脳に障害が残り、現実を正しく認識することができなくなっていた。夫の死と娘の不在を受け入れず、幻の幸福の中で生きる母親を、その回復を願いながら、凛は見守っている。葬儀の間も気丈に振る舞っていた凛だが、綺礼から父親の形見としてアゾット剣を渡されて、ついに涙を零す。父親の命を奪った凶器と知らず、以後彼女は10年間、少しずつ魔力を注いではこの短剣を大切に扱うのである。凛の涙に、綺礼は興奮を隠せない。いつか真相を知ったときの少女の絶望を想像すると、可笑しくてならないのだ。

切嗣は、冬木の地獄の中で行き倒れた少年を助けていた。
少年を養子に入れ、アイリスフィールの隠れ家として買い取った屋敷を改装して、その後5年、二人は穏やかな時間を過ごしていた。イリヤに桜を見せてあげたいというアイリの願いは、叶わなかった。アインツベルンを裏切った切嗣を、アハト翁は許さなかった。愛娘イリヤと引き裂くことで、切嗣に罰を与えたのだ。泥の呪いの声を聞きながら、切嗣はどんな想いで幼子と過ごしていたのだろう。父親として、息子として、互いにフリをしながら手探りの生活だったに違いない。冬木の一画を焼き払った炎は、切嗣の信念も目的もすべて燃やし尽くしてしまった。空っぽになった衛宮切嗣という容器に、少年の存在がハマったとしか言いようがない。でなければ、正気を失ったまま切嗣も炎と煙に巻き込まれていただろう。地獄の夜以降、5年という歳月は、切嗣にとって奇跡のような日々だったのではないだろうか。

切嗣の「正義の味方に憧れてた」という言葉に、少年は不満を漏らす。
もう諦めてしまったのかと。詰るような声音は仕方がない、少年にとって切嗣はヒーローだったから。胸の痛みを押し殺して切嗣が紡いだ苦し紛れの説明に、少年は考えた末に頷いた。「俺が代わりになってやるよ」と。それは、遠い昔、まだ純粋に理想を掲げていた頃、切嗣が口にできなった誓いだ。この月下の宣誓は、少年の指標となるだろう。自分に憧れ、自分と同じ道を行こうとする少年が、もしその道行で傷つき絶望したとしても、きっと誓いの記憶が少年を救ってくれるはずだ。

願いも理想も失った切嗣は、少年の言葉にかすかな希望を見る。
喪失を繰り返してきた衛宮切嗣の人生は、最期に小さな安堵を得て、幕を閉じた。

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最後にセイバーと士郎と、士郎の令呪のカットでおしまい。
途中でいろいろ文句言ってしまったけど、劇場版かっていうほどの映像とか音楽とか、凄いもの見せて貰ったなあと思います。実際ここからsnのゲーム購入まで至ったわけで、原作の魅力を損なうことなく走り抜けた作品でありました。ともあれ、ufoのみなさま、監督はじめスタッフのみなさま、大変お疲れさまでした!

切嗣と綺礼の葛藤を知りたい方は原作を読めばよいと思います^^ びっくりするから。
自分はそのままアニメを観た派ですが、酷評されるほどひどいものでもなかったと思う。
でも衛宮や綺礼、イリヤや桜の今後が気になるならゲームだろうなあ。

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☆綺礼と凛
悪辣な描かれ方をされているけど、綺礼は綺礼で真面目に後見人として仕事を果たそうとするんですよね。時臣を殺害したのは確かに綺礼なんだけど、彼なりに時臣の遺言を守ろうとするところは、やはり聖職者だなと思う。聖職者の価値観(質素倹約)のおかげで、遠坂家は没落していくわけなんだけど・・・。このアゾット剣で父親が殺されたってのはzeroの設定だったのかな? というのも、こんなに楽しみにしていたのに、snでの綺礼は凛に明かしていないんだよね。どころか八極拳を教えていたり、洋服を買ってあげたり(第5次でセイバーが着ている洋服、実は綺礼から貰ったものって聞いたときにはどうしてやろうかと^^ 間違いなく嫌味だよなコレ。凛がそんな清純そうなレトロなワンピなんて着るわけない・・・)、兄弟子としても後見人としても、そこそこ凛を気に入ってたんですね。天真爛漫だった凛が、10年後にはすっかり政治的手腕を会得していたのは、教えの賜物ですね綺礼さん。

☆切嗣と綺礼
何度も言うようだが、この二人のことになると冷静でいられない。
地獄の夜、何事もないように自分の上を通り過ぎた切嗣の視線。なにかを探し求めて彷徨うかつての魔術師殺しの姿に、綺礼は苦い屈辱感を抱えることになる。もっと嘲笑うような表情をするのかと思えば、アニメ版では意外に憎々しげに顔を歪めていて、想像以上に悔しそうで個人的に満足。

同じ空洞を抱えながら、手に入れた幸福を惜しげもなく捨て去り、妻と娘を縊り殺してまで手に入れた聖杯すら拒絶し、正義に殉じる切嗣はまるで殉教者だ。その切嗣が破綻者の綺礼を見逃した。思い返してみれば、綺礼にとって切嗣は重要な人物だったけれど、切嗣にとって綺礼は影響を及ぼす人物ではなかったという、ね・・・。このあたりで一度書いたけど、あとはゲームをやって補完していくことにする。

☆ギルガメッシュ
冬木の地獄を綺礼の願望の具現化だと言ったおかげで、なんかいろいろ拗れてしまったんではないか。とか、ねえ、イリヤや士郎あたりは突っ込みたいところだと思う。ギルの言葉を綺礼があまりにも鵜呑みにするので不思議だったのだけど、考えてみると、神さまの血が入ったギルのことを、綺礼が受け入れないわけなかった。10年後も変わらずセイバーに求婚し続けるあたりギルも一途だよなあとか、正直ネタ的なものしか思い浮かばない程度には、このキャラクターが大好きです。

ちなみに、
zeroの感想中アーチャーとギルガメッシュを併用していたのですが、わかりづらかったかも・・・。

☆切嗣
士郎と過ごす5年は、奇跡のようだったろうと書いたけれど、実際は、痛みと後悔と懺悔にまみれた年月であったとも思う。かつて手にかけた人々の怨嗟の声を聞き続けて、平然としていられるはずがない。自分が救われることを許せない分、助けた小さな命を今度こそ守りきろうと、ただそれだけを願う日々だったのではないだろうか。魔術に関わることを忌避しながら、最低限の心得を教えていたのも、それが少年の身を守る術になるならと考えてのことだったのでは。まさか自分の死から5年後、第5次聖杯戦争が始まるなんて、予想すらしていなかったろう。通常どおり60年後と考えていたからこそ、40年なんて長いスパンで聖杯を生き埋めにしようとしたのだろうし、だからこそ最期に安堵して逝けたわけで。

しかし、彼の予測は外れてしまった。
養い子が渦中へと巻き込まれるどころか、その中心となっていくのだ。

2012年07月03日

ツール・ド・フランス2012 第1&第2ステージ

今年のツールはベルギーからスタートしている。
ロードレース好きには耳に馴染んだ、ベルギーの街がたくさん登場します。
ベルギー二連戦。

第1ステージ
リザルト@CN
http://www.cyclingnews.com/tour-de-france/stage-1/results

第2ステージ
リザルト@CN
http://www.cyclingnews.com/tour-de-france/stage-2/results

まとめって本当にまとめかよ!!
すみません・・・もう本当に・・・。
あと前回の記事で、ガーミンの新ジャージがダザイって書いてすみませんでしたあっ!(土下座)
空撮でわかったのですが、背中は白なんですね。レトロっぽくて素敵でした!! 黒白赤水色って配色は、水色を黄色に変えたらレディオシャック。SKYの水色よりも濃いのがレトロ感を醸し出していて、どこかレゴっぽくて可愛らしさもありますね。

ってジャージ談義はおいといて。

第1ステージを制したのは、ツール初登場のサガン!
リクイガスの22歳、若きライダーがとうとうツールに登場と聞いて、楽しみにしていたのですが、早速のステージ勝利ですよ・・・。カンチェラーラに付いちってどうなのなんて言われてましたが、22歳ですもん。実績は貫禄充分なサガン君だけど、22歳ですもん。完全に意表を突いて飛び出したカンチェラーラに反応したことにまず驚きでした。ここまで育て上げたリクイガスは素晴らしいチーム。よく我慢してここまで取っておいてくれました。

第2ステージ、スプリント対決を制したのは、カヴェンディッシュ!
ゴールまで1q以上残してアイゼルがいなくなったときには、終わったなと思いました。グライペルはそのときアシスト2名残していたし、ゴスも1名、ファラーは1名(ハンター兄貴)だったかな? 時速70qちかい猛スピードの混戦の中、グリーンエッジ→ロットと巧みに列車を乗り換えたカヴは、15番手あたりから、あれよあれよという間にアシストに牽かれたグライペルの真後ろへ。空撮&定点カメラで観ると、するする〜っと上がっていくそのようすは、まさに神業でした。え?、あっ、お、おい、どういうことだ!誰か説明してくれ!という。もう、速攻巻き戻しましたよ。二回。

これがSKYの戦略だとしたら、恐ろしいですよ?
スイスのときから話題になっていたツールメンバーも蓋を開けてみれば、どちらかというとウィゴ寄りな感じだし、勝利インタビューでは、「自分の勝利も嬉しいけど、ウィギンスが総合順位を守れたことも嬉しい」なんて発言する大人なカヴに、ちょっとびっくりした。これがアルカンシェルの威力ですか(おい)


ところで、プロローグのTT結果を見て驚いた。
メンショフさんが13秒遅れの8位!(ウィギンスから6秒遅れ)
直前のレースでは、TTもあまり伸びていなかったし、今年はあまりコンディションが良くないのかなと心配していたのですが、ここにきてツールに合わせてきましたね。さすがです。ウィギンス、エヴァンス、ヘシェダル、ヘーシンク、ニバリ、なんて言ってますが、こんなときほどメンショフさんかもしれません。

2012年07月01日

ツール・ド・フランス2012 始まってるー!

うへえ。今年また頑張ろうって舌の根が乾かないうちにこのザマァ・・・

Tour de France2012
開催:6月30日〜7月22日
公式:http://www.letour.fr/indexTDF_fr.html

公式版スターター
http://www.letour.fr/2012/TDF/RIDERS/fr/partants.html

スタートリスト@CN
http://www.cyclingnews.com/tour-de-france/start-list

今年もcyclowiredのツール特集を貼っておきます。
前半:http://www.cyclowired.jp/?q=node/86291
後半:http://www.cyclowired.jp/?q=node/86292

同じくcyclowiredからチームプレゼンのようす。
その1:http://www.cyclowired.jp/?q=node/86659
その2:http://www.cyclowired.jp/?q=node/86660

サクソバンク・ティンコフバンク
サクソバンクのサブスポンサーにティンコフが入った。
あのティンコフ!!振り返ればティンコフ!!
コンタが戻ってくるまで逃げて逃げて逃げまくってる姿が見たい!
ジャージは肩口の濃紺と、胸まわりの黄色が目に映える。
→第1ステージ、モルコフが逃げてる! 新ジャージを目に焼き付けるチャーンス!!

オリカ・グリーンエッジ
オリカがスポンサードした影響で、グリーン、紺、白の三色をあしらった新ジャージ。
プロトンの中で目立ちにくい色合いなので、スプリントするにはプラス?

ガーミン・シャープ
シャープが第2スポンサーになった影響でこちらも大きく変わりました。
全体が濃い水色に、ガーミンの黒とシャープの赤のラインが入ったもの。
どこか垢抜けないなあ。アーガイル柄が懐かしい・・・。

昨年もやりました&今年もやるぞ!
プロトンの集団からあの人を見つけ隊☆
各国ナショナルチャンピオンシップ2012@CW
http://www.cyclowired.jp/?q=node/86346

2012年07月01日

2012夏アニメについて

レバ刺しが今日から販売停止と聞いて ( Д)゜゜
死ぬまでに食べれますかね・・・。

駆け足ですがリスト化。
リアルタイムで放送始まるものもあります。
神奈川県南部限定・初回放送日でチェック!

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TARI TARI
7/1(日)22:30 tvk
http://taritari.jp/

P.A.WORKSのオリジナルアニメ
泣いたり笑ったりの「たり」だとか。
江ノ島・鎌倉を舞台にした三人の女の子たちの青春群像劇。
最近江ノ島を舞台にした作品が多くて嬉しい^^


アルカナ・ファミリア
7/1(日)23:30 tvk
http://www.arcanafamiglia.com/

監督今千秋、PSP乙女ゲームのアニメ化
アルカナ・ファミリアとは、舞台である島を守る自治集団を指す。


人類は衰退しました
7/1(日)24:00 tvk
http://www.maql.co.jp/special/jintai/

田中ロミオ原作のライトノベルをアニメ化
岸誠二監督&上江洲構成。
妖精さんに支配された地球というぶっ飛び設定と、メルヘンな公式HPにきゅんときた。
「わたし」のキャラデザも大変可愛らしいです。


超訳百人一首 うた恋い。
7/2(月)25:30 テレビ東京
http://www.anime-utakoi.jp/

杉田圭原作の超訳コミックをアニメ化
もちろん原作はあの小倉百人一首、超訳というのがキモ。
カサヰケンイチ監督。


もやしもん リターンズ
7/5(木)24:45 フジテレビ
http://kamosuzo2.tv/

石川雅之の原作コミックをアニメ化
制作は白組。待ってましたの二期です、おかえりなさい!
ノイタミナ1本目。


夏草ランデブー
7/5(木)25:15 フジテレビ
http://natsuyuki.tv/

河内遙の原作コミックをアニメ化
久し振りの松尾衡監督と聞いて。
河内作品はこれからどんどんアニメ化されるんでしょうね。
ノイタミナ2本目。

じょしらく
7/5(木)26:25 TBS
http://www.starchild.co.jp/special/joshiraku/top.html

久米田康治原作、水島努監督でアニメ化
漫画界では一昨年くらいから落語や百人一首ブームの兆しが見えていましたが、ようやくアニメ界にも波及してきたかな。女の子の可愛さを存分に見せて頂けるらしいので、楽しみにしていましょう。落語は・・・期待していない。


ココロコネクト
7/7(土)24:30 tvk
http://kokoro-connect.com/

庵田定夏原作のライトノベルをアニメ化
京アニ(けいおん!)かと思ったら、制作はSILVER LINK.?!
キャラデザがけいおん!の人だったのでした。豊崎さんがメインキャラなのも。
人格入れ替わり現象は声優さんの腕の見せどころ。
しかし第1回目からメインどころにさせるのはどうだろう?吉と出るか。


アルヴ・レズル -機械仕掛けの妖精たち-
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/kodansha-box/boxair/
※アニメ公式が出来たら追加します。↑はBOX-AiR公式。

電子雑誌・講談社BOX-AiRとスターちゃいるどが企画。
年間最優秀新人賞に選ばれた山口優原作のライトノベルをアニメ化
人間の意識とネットワークがシームレスに接続できる近未来を舞台に、ネットワークの彼方へ放り出された妹の魂を探すため奮闘する青年。この手の設定は攻殻を源泉に、目を引く映像にはなるだろうけど、そろそろやり尽くし感があるのも事実。面白い試みだと思うので、ぜひ商業的に成功して貰いたいが・・・。

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大量ラノベアニメ化。
まちに待った「もやしもん」一択!でしたが、チェックするとついアレもコレもってなってしまいます。とはいえ、今年は(本当に本当に何年ぶりかの)祭へ行くことが決まったので、ちょっと抑え目でいこうかと考え中。実際ツール・ド・フランスも始まったし、もう体力的に・・・。
  
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