2008年11月10日

おおきく振りかぶって(11) / ひぐちアサ

おおきく振りかぶって Vol.11 (11) (アフタヌーンKC)
おおきく振りかぶって(11) / ひぐちアサ

崎玉戦終了後のエピソード、4回戦、さらに5回戦へ突入。5回戦相手の美丞大狭山の内情や、地方大会特有の事情など、試合と試合の繋ぎである以上に、興味深い巻となっています。

前回崎玉が終わってから、ロカさんらが登場して美丞戦へのワクワクが高まっている中で、他チームの目を通して西浦の4回戦を描く、とにかくその手法が新鮮でした。しかもその役を美丞にやらせつつ、戦略や内情を読者へ伝えるってのが、うまいなあ。

ここにきて急速に注目を集め始めた西浦。桐青を倒したんだから当然といえば当然ですが。地方大会でもTV中継や取材はあるし(笑) 注目されるということは研究されるということ。そんな暗雲たちこめる展開を予想させるのは、やはり美丞コーチのロカさんの存在や、桐青元キャプテン河合の再登場のせいかもしれません。

敗者の物語
美丞と西浦の試合を、予備校さぼってまで観に来てしまった河合。
「あそこにいるのは、おれだったはずなのに!」
はっきりと嫉妬や憎しみを感じます。美化したり、あっさり過去にできなくて、当然、河合の中で桐青野球がまだ終わってないんだなと。主将としても捕手としても、勝てる自信と責任があった河合だからこそ持つ、強烈な嫉妬と未練。一方で「西浦が負けるところが見たいのか」と分析してしまう冷静な面も持っている。そんな河合でさえ、強い執着をみせるんだ、負けるってこういうことなんだと、改めてゾッとした。

美丞の滝井監督は、選手たちから兄貴のように慕われてるようすが伝わってきて、明るそうなイメージがありますが、実は中3のとき肩を壊して高校三年間はマネージャーで、卒業後監督になって2年、なかなか結果が出せなくて、「学生監督」なんて侮られてきた。辛苦の6年間だったんじゃないかな。過去を笑って話せる滝井を見て、ロカさんは「もう思い出か」「うらやましいな」と思うわけだけど、それは滝井が筆舌に尽くし難いほどの苦しみや痛みに耐えてきた結果なんじゃないかと想像しています。

当のロカさんですが、9巻で河合に二年前の初戦敗退を笑って話していた彼自身も、まだ悪夢にうなされるほど引きずっている。勝つためなら手段を選ばない風なところも、全部そのためなんでしょうね。阿部のリード解析、捕手にした倉田君への指示など、滝井の知らないところで暗躍を見せるロカさん。
綺麗ごとで野球はできない。
この作品からいつも感じることだけど、反面、そんなロカさんとぶつかったのが西浦で良かったとも思うのです。彼らのキラッキラな光は眩しいけれど、どこかでロカさんにも救われて欲しい。ベンチに入れないのは勝つにせよ負けるにせよ厳しいな、と思っていたら、そうか、河合が球場に現れたということは、やっぱり一緒に並んで観ることになる・・・のか? ぎゃーそれはそれでキツイのう。

さらに今回注目だったのは、栄口のシニア友達の登場でした。
この子(しょうちゃん)美丞に負けた狭山高校の一年生なんですよ。しかもスタンド応援組。同じ一年生でも、10人しかいなくて即レギュラーで同じ日に同じ球場で戦っている栄口・・・。残酷だけども、高校球児の大多数はこの子と同じですよね。スタンドで夏を終える人、そのまま野球をやめてしまう人、その中の一人なんだと。
栄口と話ている時点では勝敗ついてないですが、試合後、果たして栄口はもう一度声を掛けられたんだろうか? いや、ないな・・・。

彼ら敗者を描く視点が、ひぐちさんの持つ厳しさや優しさだろうか。
この美丞戦で三橋と阿部が、中学時代の挫折からどう立ち上がるのか?など、かなり注目しています。

っとまたしても長くなってきたーーー。
色々書きたいことはありますが、せめてこれだけは!!

西浦バッテリー
阿部がけちょんけちょんにやられてガックリきてるのが良い。
なんというか、榛名さんとのこともそうだけど、わたくし、阿部の逆境の中で「畜生」って思ってる姿が好きなんですよね。自慢のリードが解析されて全然ダメってなって、プライドも自信もずたぼろにされて、全部捨てるしかなくて、どうしようもない!となる姿が見たい。

というと変態のようですけど(汗)
そうなったとき最後の最後に、阿部を「信じている」三橋が救いになるといいなあと思っています。

その他気になったところ↓

ダンス部の先輩二人
「モデルやってる先輩」って越智先輩だったんですねえ。
揃って登場した友利先輩といい、ひぐちさんの中でも、別格に美人じゃないですか? しかも外見に似合わず男っぽい友利先輩。「二人ともかわいーよ」とかサラっと言えちゃうところとか、ちょっ、男前がおるわ!というw これは友利×越智で間違いないデスネ!うわあ!

モモカン23歳
小学時代はクラブ野球、中学時代ソフト、高校で軟式野球のマネージャーときて、今年就任一年目とすると、4年の空白期間があるということに。それより23で、肉体労働バイトして、ほとんど野球部につぎ込んで、本当にこの人は何者なんだろう。

・三橋のキョドリ具合はお父さん譲りだった。
・阿部、友達いない説浮上?!(笑)
・栄口のお姉ちゃんが眼鏡っ子で、これから可愛くなりそう。
・浜ちゃん一人暮らし中。悪い遊びってあんなのとかあんなのとか・・・ですよね。

続きが楽しみ。
本誌では美丞戦終わってるらしいですね。
しかし11巻収録はまだ07年4月号まで?!
えーっと・・・。早く続きを出してくださいいいいいっ
この記事へのコメント
タブン・・・14巻まで・・・美丞戦です〜・・・
ホントにコミックスになるの遅いです〜・・・
アニメの2期は・・・いつ始まるのかな〜・・・
Posted by 末摘花 at 2008年11月11日 17:05
>末摘花さま

末摘花さん、こんばんは〜。
14巻まで・・・ということは・・・?
あと1年は美丞戦ということですね orz
いや1年がどうこうというか、もう本当に、あと少し、もう少しで良いので、ちょこっと刊行ペース上げて貰えないかなあとか。
本誌組と1年半もズレてると、なにかの拍子でネタバレ見てしまう可能性があるんですよね(汗)
Posted by tanizaki at 2008年11月13日 01:56
あはははは・・・
アフタヌーンを読んでいる方は・・・御口がムズムズしちゃうんです〜・・・
推理小説の犯人の名前とか・・・
サンタクロースの正体とか・・・
いっちゃいけない・・・と・・・思いつつ・・・言いたくなっちゃう〜・・・

千羽鶴を持って挨拶に来た河合さんの態度も立派だったけど〜・・・
練習試合を申し込むタイさんの態度も立派でしたね〜・・・
ああ・・・三星の時の・・・畠君だって・・・立派だったし・・・
ホント・・・この作品は・・・すぐ人泣かすんですよ!
Posted by 末摘花 at 2008年11月15日 16:51
>末摘花さま

こんばんはです〜。
本誌追いかけてる方に悪気はないはずで、こちらが回避していればすむ話なんですけどね(汗)

>千羽鶴を持って挨拶に来た河合さんの態度も立派だったけど〜・・・
>練習試合を申し込むタイさんの態度も立派でしたね〜・・・

そうですね〜。
試合直後に後輩たちのために!
って先輩なタイさんは立派。
「しょーがない」が口癖だった彼が、自分にとっての高校野球生活は終わっても、まだ「野球は終わってない」「終わらせない」と言っている気がして、河合さんやロカさんの件があるだけに、新鮮で、「野球が好きなんだー!」って純粋な感じがしました。

野球が好き
ってことにこれだけの表現方法を見せてくれるおおふり、やっぱりやめられませんね!
Posted by tanizaki at 2008年11月18日 01:21
御久しぶりです〜・・・
12巻が発売されましたよ〜・・・
Posted by 末摘花 at 2009年06月23日 13:12
>末摘花さま

ご無沙汰しております。こんばんは。
読みました!!さっき読み終わりましたよ!
泉とか花井とか、ロカさんと滝井さんとか、すんごいぐるぐるしちゃって、ちょっと時間おきます。
日曜日にでも感想上げたいと思います。

ほんと凄いですね、ひぐちせんせってば。
Posted by tanizaki at 2009年06月25日 23:19
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/109392944

この記事へのトラックバック
  
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。