2008年01月02日

深夜食堂 (1) / 安倍夜郎

深夜食堂 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)
深夜食堂 (1) / 安倍夜郎

営業時間は深夜0時から朝の7時まで
メニューは豚汁定食にビール、酒、焼酎・・・それだけ
あとは注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよ


今年最初の漫画レヴューはこれ。
出てくる料理は真っ赤なタコさんウィンナー、昨日のカレー、猫まんまと誰もが口にしたことがあるものばかり。少しオシャレなものと言ってもナポリタンくらいのもの。

目玉焼きにかけるのはソースか?しょうゆか? たらこ、納豆、焼き海苔はすでに料理ですらないのではないか? ずいぶん慎ましやかな料理漫画だと思われるかもしれない。しかしこれらの食べ物を口にする人々の笑顔こそ、最上の証。

食べ物に関する記憶としてオヤジから語られる人々からは、確かに生きている気配がする。
常連の一人がある日フッと来なくなる・・・そしてまたある日突然現れる。描かれるのは点と点でしかない。それを繋ぐはずのオヤジはただ店を開くだけ。そして描かれている食堂での時間など、それぞれの人物の人生にとってはわずかな瞬間でしかない。

では彼らを繋ぐもの何なのか。
それは「誰もが口にしたことのあるもの」という線、敷居の低さにあるような気がする。そして誰もが口にしたことがあるということは、同時に個人の味や思い入れがあるということでもある。登場する品に思い出の味を重ねてしまうこともあるかもしれない。だからこそ彼らが口にすること(食べ物や言葉)に、親近感や息遣いまで感じることができるのではないかと思う。

「懐かしの味」「下町グルメ」とも違う。
登場する人々の等身大の悲哀や喜びを感じ、ときにしみったれていて、ときに調子っぱずれな彼らに乗せられてしまうこと。馬鹿だなあと呟きながらどこか胸がほこほこしてくる・・・そんな体験ができる素敵な漫画です。お試しあれ。
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Excerpt: 月ノヒカリは、自慢じゃないがものすごく食い意地が張っている。 食べ物に対する執着心は、人の十倍くらいはある。 だから私は、グルメ漫画が大好きです。 グルメ漫画といっても『美味..
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Tracked: 2009-09-09 23:47
  
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