2011年10月02日

BLOOD-C 12話 わすれじの

「忘れじの行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな」
未来永劫変わるものなどないと信じることはとても難しい。それでもこのときこの瞬間の想いを留めておこうと思うくらい許されても良いのではないか? 委員長が言ったとおり、洗脳状態の小夜も小夜の一部であったとしたら、少なくとも文人の賭けは半分成功したと言える。

この作品でなにがしたかったのか。
やはりここで何度も書いているとおり、「小夜がなぜ人間を守る側になったのか」というBLOODシリーズの根幹部分にメスを入れたと、わたしは思っています。(まあ、これは以前からわたし自身の疑問であるせいかもしれませんが)

そして解は映画に持ち越されました。
予告の「復讐」とは、文人へ対する小夜の感情なのか。
しかし彼女がなんのために復讐するのかがわからない。
人間を守ることを約束させられ、しかも餌と呼んで人間を古きものに与えていたことへの怒りか。人間を守れなかったことへの悲しみか。血を使われて唯芳含め古きものたちを使役していたことへの憤りか。文人たちに捕えられた過程もわからない現状では、小夜が人間を守る側・政府の側に立つまでの流れが見えてこない。
一番欲しかった答えが持ち越されてしまった。
しかも来年の6月公開予定とか、お、覚えてられる自信がない!!

さてこれまでの考察との齟齬だけ記しておきます。
自戒のために。ついでに残っている謎も覚え書き。
以下、長文です。

1)小夜の力が半減している
文人側によって大量に血液が抜かれていることが原因。しかし「人間を殺せない、殺せないなら守る」という契約によって、記憶とともに一部封印されている可能性は残ったまま。この契約は文人に捕まる以前からなされていたようで、小夜が誰と結んだものか、文人にもわからない様子。小夜の戦い方が稚拙だったのは、やはりわざとでしたね。本気の小夜の最強ぶり半端ない。

2)小夜の同族はいるのか、いたとしたらそれは誰か
文人か四月一日かと想像。半分人間半分古きものだった唯芳がそれに近い描かれ方だったが、真相は持ち越し。文人の、双子や時真への若さに対する言及に、またつい勘ぐってしまう。

3)唯芳って結局なんだったの?
文人が言った「小夜を捕まえるための彼をまず手に入れて」の彼は、唯芳を指していたのか? 半分とはいえ人間の血が入っているなら、小夜には切れないはずなんだけど。あの光が見えた瞬間バッサリいったところを見ると、やはり小夜の封印の元はあの刀なのか。小夜の捕獲のとき文人のそばにいたのは、やはり唯芳だったか。あのときはまだ小夜の血はないはずなので、なにかを条件に従っていたのでしょう。或いは、人間と古きものが交わって生まれた・・・って、それまさかあんたたちが作ったってキメラ的な意味じゃないよね?

とにかく、これまで人間を(約束を)守れなかったという事実に苦しんでいた小夜が、唯芳の死を悼んで涙した、というのが最大の変化だと思います。それを見ずして文人が背を向けたのは意外でした。

4)朱食免を使い古きものを管理する任務によって、文人は動いていた
古きものがなぜ文人の言いなりになっているのか疑問だったのですが、小夜の血液によって使役されていました。大量に抜かれた血には二重の用途があったのですね。また、小夜をコントロールしたがっているのが人間側であることも明かされ、小夜の意思に関係なく、朱食免と天敵の小夜を使って古きものを更に抑制しようとしていました。

前回登場した護符・鈴、今回登場した呪の仕込まれた鏡などを見ると、CLAMPだなあとしみじみ思うわけだが(笑)、相当の術士がついていると考えるべきか。彼自身が使い手なのかは不明。(普通に術士とか呪いと単語が出てくるあたりCLAMP病だと我ながら思う。大好きなのCLAMP)

鏡を割った途端飛び出してきたやつは、人間を食べることより、人間で遊ぶことを優先していた。真っ二つにされて大量に血液を放出しても復活したことを鑑みると、古きものではないように思う。まさに化け物。不要なエキストラを掃除するために、人間が作ったものに思えてならない。やつらを作った者が文人側にいるはず。

5)文人は何者なの?
東京都知事云々はもうなんというかやりすぎな感満載なのですが、まあCLAMPだから仕方ないwww 古きものの怖さはわかっていると言っていたくらいですし、小夜を手に入れるだけでなく、彼女をコントロールして人間を守らせようと画策している、この強かな貪欲さは人間特有でしょう。他者に関わらない古きものと違って、小夜に対する文人の執着は、とても人間らしいと思う。実験にせよ、彼のやり方には深い業を感じます。もっと合理的なやり方があるはずなのに、何故この方法を選んだのかと問われたら、「こっちの方が面白そうだったから」とかサラっと言いそうなところとか。そんな空気感が、彼を人間でありながら人間でないように見せているのかなと。

6)誰がなにを四月一日に願ったのか
小夜と交わした、「小夜自身が変わらないこと」が願いでした。
これあっさりしてましたが、新しい謎が増えましたね。

注意:実際あの犬が四月一日とはハッキリ描かれてないんだけど、「願いを叶える店」の話と中の人からほぼ確定させてしまっています。HOLiCネタバレ(侑子さんが戻ってくるまで店主となった彼が、長い年月その仕事を引き継いでいることと合わせると、小夜と同じくらいの年月は生きていそう

7)「変わらないこと」とは、なにを指しているのか
ポイントは、文人に捕まる前に願った、という点です。
話の流れから、つい実験によってコントロールされないように願っていたのか、と誘導されかけましたが、文人に捕まることを予期できたとは思えませんし、ましてや事前に実験の内容がわかるはずもないのでこれは却下。「人間を食べない、だから守る」という契約そのものが願いなのか? しかし個人の資質を変えるほどの願いは、大きすぎると思います。では契約が破られないように、未来永劫変わらないように願った、というのもなんだかしっくりきません。

8)小夜の意思はどこにあるのか
前回期待した点はうやむやのままになってしまいました。7)で上げた、不変を願うほどの自分自身、小夜がなにを指して願ったのかは、映画で明かされることでしょう。やはりここでも、「小夜がなにものであるか」という謎にぶつかってしまいます。

9)願いはわかりました。では対価はなんだったのか
四月一日の存在からHOLiCの設定そのままを踏襲しているはずので、彼女の願いが本当の意味で明かされたとき、対価も、どうしてそうなったのかもわかるはず。


結論。
前回立てた予想
残る謎が「四月一日が誰の願いを叶えるために小夜の近くにいるのか?」のみと言ってよい状態なので、HOLiCもすでに映画化してますし、四月一日の存在と願いをまとめて映画まで引っ張る気でいるなら

がまんまと当たってしまったわけだ。

四月一日の存在がなければ、BLOODシリーズを描けなかったのか、という大きな問題を孕んだまま、来年の6月を待たねばなりません。四月一日の存在がなければ、BLOODシリーズを描けなかったのか、という大きな問題を孕んだまま、です。大事なことなので二度言いましたよ? もしわたしの予想どおり、「小夜」という存在自体にメスを入れるつもりだったなら、他作品から設定を引っ張ってくるのは反則だと思います。BLOODとHOLiC両方のファンとしては、腹立たしいというよりも、とても残念な気持ち、というのが正直なところです。

間違えないで頂きたいのは、決して批判ではないということ。
丸々3話なにも描写しないことで、視聴者に注意を投げかけ続けた手法は、本当に凄いと思います。漫画や小説ではよくありましたが、ここまで徹底されたことは評価されるべきです。だからこそ、残念なのです。ここまで手の込んだ演出を取ったのに、どうして他作品の設定を(本人が関わっているとはいえ)持ち込んでしまったのか。できることなら違う方法でこの結論が見たかったです。驚きの手法に期待が膨らんでしまった。勝手な言い分ですね。スタッフのみなさんごめんなさい。だから期待外れとは言いません。ただHOLiCの設定がなくても、出来たのではないかと言いたいのです。もっと凄いこと出来たんじゃないのって。予想外の結果に、寂しい気持ちと言った方が適切かもしれません。

不満ばかりで終わるのももったいないので。
全体的に考察しがいのある作品だったと思います。雰囲気づくりが上手いというか。繰り返しを描くことで世界が修繕され続けていることを3話使って描き、7話にしてこの町が隔離されていることを示し、11話では主観の反転まで体感させられ、特に11話は久しぶりに鳥肌が立ちました。疑り始めると際限がなくなるあたり、漫画考察に近かったかもしれません。実際、考察というより妄想で補うみたいなところもありましたが(笑) あとは視聴者が答え合わせしやすいように、もう少し優しいつくりであれば、もう少し受けたと思います。妄想でも考察でも、ある程度答えやヒントが見えないと楽しめない、というのが持論なので。

2011年09月25日

BLOOD-C 11話 たれをかも

前回の記事冒頭で書いた問い。
「なぜ小夜が人間側として化け物を狩ることになったのか?」
BLOOD-Cでは、さらに突っ込んだ解答を用意してくれていました。
それは、昔から小夜は古きものを狩る側だった、というものです。


文人はどうやら大きな組織に属しており、実社会でも権力者であるらしいのですが、小夜を捕まえる際、その彼がなぜ古きものを連れていたのか?という新たな謎が出てきました。彼女の古きものを食べるという習性を利用して、文人が古きものと手を結んだとすると、わずかな糧を提供するかわりに、一緒に実験を行うよう、重ねて古きものと約定を結んだのでしょうか。

古きものや小夜たちにとって、約定・約束・ルールが絶対であるというのは、すでに示されています。いつまでたってもお役目をやめない小夜に、古きものが反発して当然な流れですが、メインキャストを食べる演技をしたり、どちらかというと小夜に揺さぶりをかける側なのが気になります。

先生の言っていた朱食免で一度なされた約定を、古きものたちは破棄できずにいる。そこに文人側にからなんらかの圧力が加わっているとしたら、長い髪の女顔の古きものが言っていた「自由にならない身」の意味がわかります。

☆敵味方の逆転、主観の反転
小夜に注意を促してこなかった(なにかを隠しているように見えた)委員長、父親は文人側。先生や時真が味方に見えたのは、小夜が記憶を取り戻すべきだとこちらも思っていたから。(この場合、無意識に思わされていたと言ったほうが正しいか)

元小夜(記憶を失くす前の小夜)から見て、記憶を取り戻す手助けをしてくれている=味方であるはずの人間が、徹底して利己的に描かれているのを観ていると、凄くモヤモヤした気持ちになりました。それは彼らが、小夜の人間性を否定しているからに他なりません。小夜を特別視すればするほど、彼女を人間から遠ざけていく。これってわたしたち視聴者にも当て嵌まりませんか? 彼らが本当に醜く描かれれば描かれるほど、自分も同じような気がして、(本当にひどいと思ったけれど)素直に先生たちを非難できません。前回と今回、味方か敵なんて、主観で簡単にひっくり返ることを痛感しました。

☆BLOODシリーズ
これまでは、古きものを狩る理由として、小夜の人間性が強調されてきました。
しかし、そもそも彼女は人間になりたいのでしょうか?
彼女が古きものを食べるのは習性です。人間を食べる古きものを、食べている。
その性質を人間が利用しているだけ。
結果、人間を助けていくことになり、やがて彼女にも人間性が備わっていった・・・。
この作品の中でわたしが見つけた答えがこれです。
米軍やら単語が出てきたのは、シリーズを意識してのものでしょう。

宝物庫で父親が語った「古きものを倒せるのは御神刀のみ」は、暗示だったと知れました。あれこそ、文人たちの目指す小夜像そのものなのでしょう。古きものの天敵は小夜だけです。彼女だけが彼らを殺せるのですから。
あとは、小夜にどんな意志があったのかが問題です。
大川さんだけに、綺麗事ではすまないと思われ。大変楽しみです。

☆でもやっぱり言いたい
時真の変貌ぶりに、orz ←こうなったことは言うまでもない。
自分の死に回が回ってきてないと怒る委員長にもゾッとした。

「誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに」
先生が言っていたとおり不思議な歌です。
BLOOD風に直訳すると「あの長生きしている高砂の松を、私を知る友人にしようか。いや駄目だ。あの松でさえ、自分を昔から知る友人にはなりえないのだから」になりますか。(わあ、書いてて恥ずかしくなってきた!) この歌の私は百年生きる松よりも長く生きていると取れます。おおらく数百年も生き永らえてきたのでしょう。友人と呼べる者はもちろん、自分を知る者も一人もいない世界、嘆きと自嘲と果てしない孤独を感じます。これは小夜の歌であると同時に、「友人」という単語が含まれているところを見ると、小夜に同族がいるという暗示にも取れます。

可能性があるのは怪しい存在感の文人と、四月一日だけです。
ただ四月一日の件はまだそこまでアニメ化されていなかったはず。それはフェアーじゃないので、消去法で文人が小夜の同族と仮定します。すると、なぜ小夜を捕捉するために古きものを使役できたのか、この実験に古きものを参加させることができたのかという疑問は解けます。

ただし、残る謎が「四月一日が誰の願いを叶えるために小夜の近くにいるのか?」のみと言ってよい状態なので、HOLiCもすでに映画化してますし、四月一日の存在と願いをまとめて映画まで引っ張る気でいるなら、この仮説もまた成り立たなくなりますが。あと、唯芳に血を分けたかのような怪我の件もありますし。

2011年09月18日

BLOOD-C 10話 ふくからに

BLOODには、LAST VAMPIREのときからずっと疑問だったことがあります。
それは「なぜ小夜が人間側として化け物を狩ることになったのか?」という点です。もしかすると、この作品はその答えのひとつになるかもしれない。

捕えられた小夜が大量に血液を抜かれていること。
力が半減している理由のひとつはこれでしょうか?

この実験は、彼と小夜の同族同士によるゲームかと思っていたのですが、今週この実験を「茶番」と言い切った先生の存在考えると、小夜をコントロールしようとしているのは人間側の可能性も出てきました。古きものに対抗する手段として、「約定を破った人間」たちが小夜を捕捉したとも取れます。

とすると、なぜ小夜が選ばれたのか?という新たな疑問が出てきますが、これは髪の長い女顔の古きものが言っていた、小夜の悪食がヒントになりそうです。自由にならない身でも腹は減るとも言っていました。

本来古きものは無差別に人を殺してはいなかったのではないでしょうか。飢えに耐えられなくなったときだけ(生きるために)少しの人間を食べていた。しかし不自由にこの土地に縛られ、守られない約定に苛立ち、その場にいる人間を襲ったのだとしたら。彼らよりも小夜は悪食だと言う。古きものでも人間でも関係なく補食対象としているのだとしたら、人間側が小夜に目をつけたとしてもおかしくありません。

そうだとすると、先生はなぜ暗示を解く手助けをしたのか?
という疑問が出てくるんですけど。
まあ、答えが出るまでの妄想遊びということで。

上記推測が成り立つのは先生が人間だと仮定したときの話です。
先生が古きものだとしたら、話はもっと簡単ですね。ただ冒頭に上げた謎は解けないままになるので、できればこの推測が当たると嬉しいです。

「吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山嵐をあらしといふらむ」
言葉遊びと揶揄されることの多い歌ですが、しかし秋風去ったあとの荒涼とした大地と、権力争いののち残るものの少なさを重ね合わせていると考えると、ここにきて心を(これまで信じていたものを)激しく揺さぶられている小夜が、この先どのような結論を出すのか怖いような気がします。

☆御神刀
四月一日への対価は、本物の刀か。
とすると、なにかを願ったのは小夜のまわりにいる誰かってことになります。
記憶が戻るよう四月一日が誘導しているのも、その願いを叶える一環でしょうか。

2011年09月11日

BLOOD-C 9話 こころにも

8と9はくっつけるのが良かった気がする。

(以下ネガティブな内容なので反転)

過ぎたるは・・・というやつで、母親の名前を思い出せない・学校に他の先生も生徒もいないと、わざわざ小夜に言わせる必要があっただろうか? なんというか・・・、演出が美しくない。これほどあからさまに開示せざるをえなくなってしまった原因はいったいどこにあるのか? これまで伏線のための小道具やカットがバラバラだったせいで、視聴者の視点を散らしてしまったのが最大の失敗か。

正直、「だからなに?」と思われても仕方ない流れだと思う。
いまさら小夜がコントロールされていることに小夜自身が気づいて、自問したとして、それがどうしたというのか。本来ならここで視聴者も一緒になってあれこれ考察したり、どきどきするところだと思うのだけど、完全に失敗しています。小夜になにかあるのはBLOODの名を冠しているかぎり周知の事実で、こちらも疑って見ているのですから。いっそ訳がわからないまま、力が復活した小夜が暴走してしまい、甚大な被害を出して実験は失敗、小夜に記憶は戻らないままとなった方が面白かったかも。そしたら四月一日は必要ないですし。

実際、3話から7話目くらいまでが個人的に一番盛り上がっていて、(めずらしくレビューするくらいにはテンションが上がっていたのだ) 四月一日を直接出すしかなかったことを考えれば、まあこんなものかな。とにかく、9話使ってこれだけの盛り上がりしか作れないとしたらガッカリです。あとは最後に種明かしなのでしょうが、消化試合の感は否めませんね。



「心にもあらで憂き夜に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな」
望まない世界に生きながらえて、と考えると面白いですね。
以前に見上げた月の美しさをなら、視力を失くしても思い出すことはできる。
憂いているように見えて、反対に生きることに強い執着を感じる歌でもあります。

永らえようと望まない世界、親しい人々を失くし、わけがわからないまま古きものと戦い、そんなひどい世界でも、月の光の美しさだけは変わりません。失った記憶のどこかで、小夜は月を眺めたことがあるのでしょうね。捕まっていたときか、あの殺戮の夜か。とにかく、いつか絶望的な状況で月を見上げたことがあるのでしょう。その美しさと、そのときの純粋な感情が、彼女の生きる糧になっている可能性があります。

慰めの月の光は、ここ数話で何度か繰り返し見せられています。ところが今回、月夜の下泣いていた小夜の元に現れたのは、四月一日だけではありませんでした。四月一日に慰められ止まっていた涙が、時真を前にして、また小夜の頬を濡らすって演出に萌えた! 四月一日の誘導がうまくいっているのか、自分自身への問いを深める小夜。時真の告白は完全スルー。小夜が恋しく思うものは、この二人ではない、ということでしょうか。

苦しいのは、頭か心か?
クラスメイトが殺され、約束を守れなかったことを悔いている小夜へ、四月一日が問います。小夜は、友人(だと思っている人々)を失くすことより、約束を違えたことを苦しんでいます。結局のところ、人社会の中に入り込んで、優しい人々に囲まれても、本質の部分は変わらなかったということでしょうか。古きものたちが「約定」にこだわるのと同じように、小夜には「約束」が絶対だったと。実験結果はこれで出たと考えるべきか、それとも最後にもうひと展開ありますか。

☆先週書いた時真の遅刻について
意味はあったね!よかった!
先走って失礼なことを書いてしまった。ここに訂正します。

☆BLOODについて
コンセプトは、刀を持った少女小夜が怪物と戦う。
ビジュアル面でとても魅力的だけれど、謎があるとあらかじめバラしているようなもので、損得一体なんだと改めて感じた。藤咲さんにはぜひ挑戦し続けて貰いたい。きっとすごいの見せてくれるはず。

2011年09月04日

BLOOD-C 8話 よのなかよ

約束の回。
彼らが行っている実験そのものに「約束」が含まれていました。

でも約束って対等な関係でないと成立しないと思うのです。
小夜がなぜ捕まっていたのかも、いつか明かされますよね?

古きものを化け物と呼ぶことを嫌ったり、血に関する描写が多めだったり、前回から情報の一気放出が続いています。また、学園内に古きものが現れたところを見ると、相手もなりふり構っていられないといったところでしょうか。小夜の封印が徐々に解け始めているのにも気づいているでしょうから。(まあ飽きたってのが正解のような気もするけど。) 今の小夜では約束を守れない→実験終了の判断といったところかな。

ところで、時真の遅刻癖はなんかの伏線かと思っていたのですが、こんなときまで遅刻ですかっ!(笑) おいおい小夜のこと気になってんのと違うんかい!と。うーん。こういう意味のないことはしないと思っていたんですけどね。


「世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる」
俗世を憂い、人里離れた山奥へやってきても聞こえるのは哀しい鹿の鳴き声だけ。平穏に切り開かれた道などどこにもない。俗世を憂い、人から離れても孤独を憂い、深い苦悩と内省を繰り返しても、自分自身からは逃げることはできない。行き場のない想い。この歌のとおり、今週は全体的に絶望感漂う回だったと思います。父親や小夜の無理な笑顔を繰り返し入れることで、苦しい状況を想像しやすくなっていました。

父親と小夜、小夜と時真、わんこと小夜、クラスメイトと小夜、思い合っているはずなのに、意志の疎通がうまくいきません。小夜が己の役目を隠しているように、おのおのがなにか秘密を抱えている結果、すれ違いが生まれています。興味深いのは、父親と文人だけがまっとうに(見える)交流を継続している点ですね。

☆文人の持つ鳥の入っていない鳥籠
この世界と内外が逆転した象徴のようにも見えて面白い。

2011年08月28日

BLOOD-C 7話 うかりける

わんこじゃなかったーーー!
って衝撃で全部吹っ飛んだ。

ますますCLAMPの集大成の色が強くなってきました。
四月一日の存在(どうしてわんこの姿なのか?という疑問)よりも、彼が存在する意味(願を叶えるためにそこにいる事実)が重要であって、HOLiCを読んでいなくても問題ないだろう。(アニメ化された部分だけでもまだ足りない) いやはや思い切ったことをするなあ。ここまで視聴者を突き放す作品は珍しいです。受け手を信じていると言えば聞こえは良いですが、これくらならついて来るだろうって線引きがなんとも大川さんらしい。

どうやら「願い」と「約束」は別のようですね。
それぞれに関連したことが混ざり合っているので、少しわかりづらくなっています。

さて、四月一日は誰の願いを叶えるために、ここにいるのでしょう。
小夜が四月一日の店に行ったのか、あるいは夢の中で出会ったのかは不明ですが、時折よぎるあの惨劇の前か後に、二人は顔を合わせている。そして誰かの願いを叶えるために、四月一日は小夜のそばにいる。わんこの姿でないとこの世界に紛れ込めなかった。ここまでが事実。危険を冒してまでこの世界に在ろうとするのは、願いを叶えなければならないからで、それは、すでに対価が支払われていることを意味しています。

とはいえ、あの四月一日が彼らの賭け事に賛同するような形で、願いを叶えるとも思えない。憶測ばかりですが、急を要することだったのだろうと想像。あの惨劇そのものが、二人が出会うきっかけになったのかもしれません。

問題は「文人と小夜がなにを賭けたのか」です。
人が人であるために必要なこととは、なんでしょうか。
後天的なもので人の性質は変化するのか、これは実験でもありそうです。

つたない戦い方はやはりわざとだったことも判明。
とすれば小夜が力の半分対価に支払った、とも考えられますが・・・。
小夜に記憶がないのは、彼らのゲームの条件のひとつだと思われます。
後天的なものの代表こそ記憶そのものですから。

それから、ここが隔離された世界であることも想像どおりでした。
通学途中に小夜が目にしたのは、表面上は整然と並ぶ建物と、その脇で雨風に晒され朽ちかけた車でした。長く人が住んでいない場所である証拠です。四月一日の件が目隠しになっていますが、今回も情報量は多めだったと思います。

今回の一首の解釈は専門の方にお任せして。
ここからは蛇足です。
「憂かりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを」
山おろしって相当厳しいんですよ。びゅうびゅう吹いて、布に覆われてない頬や手の甲に突き刺さるような感覚です。前に進めないくらい強烈な、痛みを伴った冷たい風なのです。この人は観音さまに「つれない人のなにを」願ったんでしょう。願いが聞き届けられた結果、つれない人の心が山おろしのように冷たく激しく乱れてしまったのだとしたら。ちょっとホラーですよね。

四月一日が言っていました。
「願いと対価は等しくなければならない。」
願った以上の結果が出てしまったとしたら、その分の対価をどこかで補う必要がでてきます。

☆ホラーと言えば、ギモーブの感触は「舌」で正解?
唇に近いところって・・・。相変わらずグロい。

☆時真はハジの役回りっぽい件
文人がこの世界を作ったのだとしたら、この世界に存在するものには全て理由があるはずです。唯芳は小夜の父親役として、記憶がないながら彼女のそばに存在することを許された人間のようですし、四月一日はイレギュラーとして犬の姿だから許されている。小夜に片思いする同級生役は委員長が担っていることを考慮すると、時真に与えられた役がなくなってしまう。小夜を案じつつ記憶も持っている風な時真は、このゲームの条件のひとつだとすれば、小夜側の駒と考えると筋が通る。小夜の「約束」の相手が時真だったら面白いのに。

2011年08月25日

BLOOD-C 6話 かぜをいたみ

きたね!
約束!特別!
「誰と?」ってわんことハモってしまいましたよ。

ほんと、CLAMPじゃなきゃここまで観てないと思います。
でもここまで観てて良かった。

小夜の見ている世界に破たんの兆し。
わんこは喋るわ、時真は「小夜」呼びを隠そうともしていません。彼女に危険を知らせようとする人々(父親、先生、時真)と、そうでない人間(文人、委員長)がこれではっきり描かれたことになります。

冒頭のモノローグは過去に交わされた問答の一部だったみたいですね。
小夜は誰となにを賭けたのか? 心身が深く傷ついた彼女を突き動かす約束とは、いつ誰と交わされたものなのか? いよいよですね。楽しみです。これまでのモノローグを確認すれば、結論は示されている可能性もありますね。これまた録画残しておけば良かった(泣)

ところで。
なんというか、あれですよね・・・。
この手の話はどうしても昴流と星ちゃんを思い出してしまうなあ・・・。

タイトルに使われている今回の一首。
「風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな」
突然の出来事に混乱するのは小夜ばかりで、(例えば行方不明のねねの件で学校がとりあえず休校になるくらいで)周囲はさほど動きのないように見えます。びくともしない世界と、体当たりで古きものにぶつかる小夜の対比は、まさにこの一首そのままです。

でもこれが偽りの世界だとするなら、こんなに悪意のあるタイトルはありません。(褒め言葉) あるいはこれもまた「気づけ」というサインなのでしょうか。

2011年08月08日

BLOOD-C 5話 めぐりあひて

面白くなってきました。
以下ただの妄想、根拠なし。

まず第一に、これはすでになにか事件が起きた後の話だと考えてはどうでしょうか。
すでに亡くなっている母親、古きものと人間との間で交わされた約定、小夜を悩ませる光と頭痛。小夜と関わる者以外、古きものの餌となる人間しか出て来ないのもその事件が理由なのではないかと。そして恐らくその事件をきっかけに小夜の力は一部封印されている。戦闘がグダグダなのも頷けます。父親が毎晩娘に「おつとめ」をさせる理由も。

浮島地区がただの餌場だとすれば、小夜たちの通う高校の制服が黒基調なのも喪服っぽい。左袖からぶらさがってるのは喪章か。鎖に繋がれた囚人を連想させます。まあ、ただのモチーフと言われればそれまでですがw

全体を通して感じていた違和感はここでピークに達しています。
一見話が進まないように見えますが、修繕された世界を見せられていると思えば、変化がないように見えるのも当然です。この見せかけの平和を綻ばないように努めている者がいるはずです。その人たちには、本当の世界はいったいどんな風に見えているんでしょうか。小夜はそれを見ることができるのか、考えるだけでわくわくします。

とはいえ蓋を開けてみたら、ただの妄想か笑い話になりそうですね。
tanizakiの趣味がダダ漏れデスヨ・・・。
  
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